海外駐在の彼氏をたずねて73時間、トラブル続きの彼女を待っていたのは…

写真拡大

 恋人が地方や海外に転勤して遠距離恋愛になってしまった経験を持つ人って多いですね。

 一緒に居られなくなるのはさびしい限りですが、会いに行ったら彼氏が現地を案内してくれて旅行気分を味わえるのは遠恋だからこそ。

 でも、倉田結さん(仮名・33歳/専業主婦)が独身時代、海外赴任中だった現在の夫に会いに行ったときは、まさにトラブルの連続。

「母親となかなか再会できない『母をたずねて三千里』の主人公マルコになった気分でした」とそのときのことを振り返ります。

◆北欧駐在の彼氏の提案で一緒にオーロラ鑑賞する予定が……

 水産関連会社に勤める彼氏は、当時ノルウェーの地方都市に赴任中。

 仕事で帰国できない恋人のため、年末年始の休暇を利用して結さんが会いに行くことになったのですが、彼氏は「せっかくだからオーロラを一緒に見よう!」と提案。北極圏にあり、北欧有数のオーロラ鑑賞スポットでもあるノルウェーのトロムソという街で合流することになったといいます。

「日本から飛行機を2回乗り継ぐルートだったのですが、経由地のノルウェーのオスロで飛行機に乗り遅れてしまって……。年末のオーロラ観光シーズンだったので飛行機は他の便も満席。『3日後まで空きはない』と言われ、どうしていいか分からずに涙目で立ち尽くしていました」

 ちなみにこの時点で日本出発から21時間が経過。

 空港の搭乗カウンターの前で途方に暮れていた彼女を心配して声をかけてくれたのは、旅行中だったスウェーデン人の若いカップル。事情を説明すると、「(スウェーデンの)ストックホルムから寝台列車とバスを乗り継げばトロムソまで行けるよ」と教えてくれ、彼女に代わってスマホで列車を予約もしれくれたとか。

◆異国の空港でまさかの野宿デビュー

「ストックホルム行きの飛行機もすぐに手配できましたが列車は翌日発で、また予定外の出費で節約しなければならず、その日は空港のベンチで横になって寝ました。まさか異国の空港で一晩過ごすなんて夢にも思ってなかったので不安だし、背中も痛いやらでほとんど眠れませんでした」

 なお、彼氏とは飛行機に乗り遅れた後に連絡が取れ、列車で向かうことも説明。心配して「俺がそっちに向かおうか?」と言われたそうですが、仕事であまり遠くに離れられないことを知っていたため、「着くのは大幅に遅れちゃうけど、大丈夫だから」と不安を隠して答えたとか。

「ストックホルムでは列車の出発まで観光を楽しむ程度の時間はあったので市内に移動して、ガムラスタンという『魔女の宅急便』の舞台の街のモデルと言われている旧市街を散策してました。この時点ではもう開き直っていて、予定外だけど楽しんじゃおうって。睡眠不足や披露で結構疲れていましたが、妙にハイテンションだったのを覚えています」

 列車は定刻通りに出発しましたが、この時点ですでに45時間が経過。北極圏に突入し、終点のナルヴィークという街に向かってひた走るも外は猛吹雪で結局2時間以上遅れて到着したそうです。

◆日本出国73時間後にようやく彼氏と再会!

「そこからバスで5時間ほど揺られ、ノルウェーに再入国してようやくトロムソに到着。バスターミナルで待っていた彼氏とようやく会えたときには、日本出発からすでに73時間が過ぎていました」

 しかし、到着が遅れたことで一緒に過ごせる時間は4日から2日に。あと楽しみにしていたオーロラでしたが、なんと連日の悪天候で見られずじまいだったそう。

「ほかにもキャリーバッグのタイヤは壊れるし、アイスバーンで何度も転んじゃって踏んだり蹴ったりの旅でした……」

 結さんと彼氏はこの3年後にゴールインしましたが、新婚旅行に訪れたのはカナダのイエローナイフ。オーロラ鑑賞できなかった北欧のリベンジだったそうです。

「ここでも最初の2日間は悪天候。でも、最終日にオーロラがなんとか見ることができ、これであの北欧の旅もようやく自分のなかで終えることができた気がします」

『世界の果てまでイッテQ!』も顔負けのハプニング連続の旅でしたが、彼女にとってはいろんな意味で一生忘れられない旅になったようです。

―シリーズ 旅行のヒサンな話 vol.3―

<TEXT/トシタカマサ ILLUSTRATION/やましたともこ>