入園料無料化は富士急ハイランドと富士五湖周辺エリアの回遊性を高める狙いがある

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2018年7月中旬より入園料を無料化することを発表した富士急ハイランド。その決定は早くも大きな反響を呼んでいるが、同時に公式サイトでは、個々のアトラクションの利用料金を入園料無料化に合わせて値上げする予定であることも告知された。SNS上などで「実質的に割高になるのでは」という声もあがる中、無料化の意図について、富士急行宣伝部の金子氏に話を聞いた。

【写真を見る】アトラクションは値上げもフリーパス・アフタヌーンパスは据え置き

そもそも今回の入園無料化は、富士急ハイランドと富士五湖周辺エリアの回遊性を高め、楽しみ方の幅を広げるのが狙いだ。「これまではどうしても来園したら1日中遊ぶといった形になりがちでした。今後はたとえば富士山に登った帰りにちょっと寄ってみる、そういった楽しみ方ができるようになります」と金子氏が話すように、アトラクションが主目的ではない層、富士山観光の一環として訪れる層など来園者の裾野を広げ、同時に観光の選択肢を広げたいという思いがある。

金子氏によると、各種アトラクションは現在の料金から2倍から2.5倍程度の値上げを検討しているという。だが入園無料化後もフリーパスとアフタヌーンパスは現在と同価格での販売となる。アトラクションの値上げには、各種フリーパスとアトラクションチケットとの料金の整合性を取る意味合いがある。「ド・ドドンパ」など数ある絶叫系アトラクションをフリーパスで楽しむ来園者はこれまでと変わらない遊び方ができる。

一方で、園内で開催されるコラボイベントやグルメ、お土産購入などが目的で訪れる場合は、入園料が無料になる分これまでよりお得になる格好だ。公式サイト上でも、短時間の滞在が可能になることに触れられている。また、絶叫系アトラクションが苦手な人でも訪れやすくなるという利点も大きい。

金子氏は「新たなアトラクションはもちろん、この夏から皆様に行ってみたいと思っていただけるような企画やコラボレーションも既に準備していますので、発表をお楽しみにしていただければ」と話す。富士急ハイランドの“顔”であるアトラクションを楽しむユーザーを大切にしながら、同時に新たな層の利便性を高める今回の入園無料化。これまで行ったことのない人も、この機会に一度足を運んでみては。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)