ファッションメンへラ…男性に「めんどくさい女」と呼ばれる人たち
こんにちは。沙木貴咲です。『メンへラ』とはそもそも、精神科に通院して投薬や専門家のカウンセリングが必要な人のことをいいます。うつ病、人格障害、パニック障害、適応障害などの病気を抱えた人を表すネットスラングですが、最近では恋愛や人間関係で面倒な行動を取る人のこと指すのだとか。
精神病を「装った」かのような面倒くさい人のことを、『ファッションメンへラ』といいますが、これは本当に厄介です。
感情のままに一方的なLINEを連投したり、やたらとスネて彼を困らせたり……アナタもファッションメンへラになっているかも?
■■境界性人格障害とファッションメンへラ
ファッションメンへラの一例を挙げると……境界性人格障害という精神疾患にかなり近い行動を取り、彼氏を歪んだカタチで自分に繋ぎ止めようとする人と言い表せます。
境界性人格障害とは、遺伝や幼少期の母親との関係性に起因する病気で、見捨てられることに極度な恐れを抱くため、対人関係や情緒が不安定なことをいいます。
うつのように落ち込んでいたかと思えば、急に怒りだしたり、暴れ出したりと、感情が目まぐるしく変わって、身近に接する人はかなり振り回される病気です。また、自殺企図や自傷行為(リストカット)を繰り返し、アルコールやセックス、薬物への依存行動を伴うことも多いといわれています。
・喜怒哀楽の波が激しく、情緒が安定しない
・大好きとラブラブしていたはずが、急に一方的なこき下ろしをする
・自分から突き放しておいて「捨てないで」とすがる
・「死ぬ」と言って彼氏を脅す
・大抵どんよりしていて、暗さが魅力にも見えてしまう
・自尊心が低く、ネガティブ
・「どうせ」「私なんて」が口癖
・感情が高ぶると投げやりになる、あるいは暴力的になる
このような症状が見られます。
■■ファッションメンへラか、ガチメンへラかの見極め
とはいえ正直なところ、素人が判断するのはなかなか難しいと思います。というのも、精神疾患は熱が出るなどの身体的異常がほとんどないため、見極めは医師しかできず、精神科への受診も「本人の判断」に任されているからです。
前項で述べた言動を示す人が、単に通院していないだけで、実は病気に悩まされているという例は多々あります。逆に、精神科に通院して薬を処方されていたとしても、精神疾患は医師判断にまかされていて、残念ながら良いお医者さん、良くないお医者さんはいるものです。通院していようと、実は性格がひねくれているだけで病気というほどではないという人もいるんじゃないでしょうか。
筆者も実は18歳から約10年、この境界性人格障害を患い、たくさんのものを自ら壊し失ってきました。病院に通い始めた当時は、せいぜい22歳くらいで死ぬんだろうと思っていたので、まさか結婚して子どもまで産むとは(さらには離婚も!)、考えもしませんでした。
そんな私が実体験から述べるなら、ガチメンへラは恋愛を越えたところで、「こいつ、ヤバい」という言動を示します。これは、男性が「彼女だから守らなきゃ」という気持ちを越えた異常さ、薄気味悪さがあると思ってください。自分の思い通りにならなくてスネるという程度のものではありません。
■■脅し、すがる、わざと浮気する
「死ぬ」という脅しについても、ファッションメンへラは言うだけで具体的な行動は起こしません。
一方、ガチメンへラは大抵リストカット痕があり、走行する車の前に飛び出したり、昏睡状態になって救急で運ばれるほどの薬をオーバードーズしたり、いきなり連絡を絶って行方不明になったりします。また、精神的につらくなると乖離(かいり)状態を起こし、記憶が抜け落ちることもあります。
一番の違いは、本気で死にたいと思っているかどうかです。
ファッションメンへラが「死にたい」と言う根拠は、彼氏の気を引きたいところにありますが、ガチメンへラは生きていることがつらいので、自分の苦しみを断ち切りたくて死を望みます。
お酒やセックスなどへの依存も同様で、自分という意識を自覚していること(自分が自分であること)が耐えられず、自意識を失える何かを求めて依存行動を起こします。
わざと浮気をして彼氏の気を引こう、嫉妬させようというのは、ファッションメンへラといえるでしょう。
■■ファッションでもガチでも、付き合うのは難しいかも
ただ、線引きをしようと思えばできますが、客観的に見ればファッションもガチも示す行動は似ていて、恋人として付き合えば厄介であることに違いありません。
また、ヤンデレという言葉もあり、病んでいる女子がかわいいと言う男性もいますが、実際に付き合えば「やっぱり面倒くさい」と離れていくことがほとんど。ツイッターでも病み女子と付き合って地獄を見た……という男性の投稿をよく見かけます。病んでいる状態で異性と付き合うのは、かなり困難なことなんです。
恋愛は、お互いが健全な精神を持って、自立した状態でするからこそ成立します。
もし、恋のスタイルとしてファッションメンへラを選んでいるなら、止めた方が良いでしょう。自分のためにも、彼のためにもなりません。
また、自分は健全だと思っていても、恋人と安定した関係がなかなか築けない場合は、勇気を持って然るべきところに受診することをお勧めします。
私自身、病んでいた10年間に付き合った彼氏はDV男、浮気男、借金まみれなどロクな人がいませんでした。恋をするならやっぱり、健全な精神を手に入れてからの方が、幸せの度合いは全然違うのです。(沙木貴咲/ライター)
(ハウコレ編集部)