集まった大ギャラリーも熱戦を演出した(撮影:佐々木啓)

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国内女子メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」はここ数年のツアーでも屈指の名勝負となった。例年以上の難しいセッティングに加えてサスペンデッドの変則日程に、多くの選手がふるい落とされていった。その中で、日韓の賞金女王、そして元世界ランク1位の3人が演じた意地と意地のぶつかり合いは見る者を引きつけた。
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コース外での鈴木愛の発言も勝負をより引き立たせた。2日目を終えて日本ツアー初参戦のイ・ジョンウン6(韓国)が首位に立つ展開に「日本ツアー初参戦ですぐに勝たれるようなツアーではダメ」とコメント。3日目を終えて4打差2位で最終組に入ったときは「敵は目の前にいるほうがいい」。こんなことをいった以上、結果を出さなければたたかれる。そんなことは一切気にせず、ツアーに警鐘を鳴らし、自分を鼓舞する。その姿に日本総大将としてのプライドを見た。
そんな戦いをさらに盛り上げたのが、34104人のギャラリーだった。この4日間の合計人数は大会史上歴代2番目の数字である。この歴史の目撃者たちが、優勝した申ジエ(韓国)が「2人があまりにもうまくて自分も頑張れました。今大会はずっと記憶に残るでしょう。2人にありがとうと伝えたい」と語った名勝負を際立たせた。
最終日は特にすごかった。最終組のスタートが近づくにつれ、1番ティグラウンドに集まったギャラリーはほとんど会話をせず、やってくる選手に拍手を送り一挙手一投足を見守った。7319人と少なくない人数にもかかわらず、空気はピンと張り詰めている。その空気は全体に染み渡り、みな会話をするにも小声に。キャディとの声が聞こえてくるほど静かだった。
とはいえ全くの静寂というわけではない。ジョンウン6が「ティボックスに入るたびに、また、フェアウェイに置けたりグリーンに乗せたりとナイスプレーをするたびに拍手をいただけた」というように、好プレーを見せれば選手に関係なく惜しみない拍手が送られた。グリーンに乗ってもチャンスと呼べないときなどは、拍手もまばら。“いいプレー”のジャッジは他の大会よりもからかったように感じるほど、ギャラリーの見る目も肥えていた。
この雰囲気には敗れたジョンウン6も大絶賛。「ファンの皆様のマナーが素晴らしかった。携帯電話の鳴る音が聞こえなかったことには本当に驚きました。とてもいい雰囲気の中でできました。また機会があればぜひ日本でプレーしたい」と思いを語った。
レクシー・トンプソン(米国)が以前、今大会に出場した際、「日本のギャラリーの皆さんはマナーが世界一」と話した。こうやって海外選手が「この大会に来たい」と思ってもらえるようになれば、どんどんレベルの高い選手が来るようになる。やってきたワールドクラスを日本ツアーのメンバーが迎え撃つ。そうしてツアー全体のレベルが上がっていく。ギャラリーが作り出した緊張感は、そんな未来を作り出すかもしれない。(文・秋田義和)
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