ドコモとauの使った量で料金が変わる「段階制プラン」は意外に違った? どちらが誰にトクなのかをチェックした

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NTTドコモが4月27日に発表した新料金プランに話題が集まっています。
ドコモの新プランとなる
・ベーシックパック
・ベーシックシェアパック
は、使った通信量に応じて料金が変動する(あがっていく)「段階制」の料金プランです。

この段階制のプランは、auもすでに2017年7月から「auピタットプラン」として提供を開始しています。


auが昨夏、鳴り物入りで導入したauピタットプラン


auピタットプランは好調で、契約者数も順調に増えています。
またピタットプランと同時に導入された定額・大容量プランのauフラットプランとあわせると、一年経たずに500万契約を突破しています。
その内訳でも段階式のauピタットプランの方が多いとのこと。

スマートフォンの通信量は、
・旅行や主張など、外出の多い月
・アプリのアップデートが多い月
・スマートフォンのメジャーアップデートのある月
などの利用環境によって変動が大きくなります。

これまでの通信料金プランでは、あらかじめ月間に使えるデータ量をオーバーしたり、データ量を余らせたりしてしまうケースも少なくなりません。

つまり月によって
・データ通信量が足りずに通信制限で低速になる
・規定の通信量より使用量が少なく、料金分の通信量を使っていない
といった状況に悩まされるユーザーが多くなります。

「段階制」のプランは、そうした消費者のモヤモヤした料金プランへの不満を解消できることから、スマートフォンのトレンドになりつつあるようです。


その上で、段階制を導入したドコモとau、2社の
auauピタットプラン」
NTTドコモ「ベーシックパック」
どちらがオトクなのか、メリットがあるのか?

一部で「そっくり」とも評されている2社の料金プランですが、
「どちらの方が安くなるか」を試算してみました。


○全く違う結果に! 両社の試算結果
比較するにあたり、今回は最も安い料金となる
・通話定額
・無料通信分
といった、通話に関する割引が一切設定されていないプラン同士で比較を行いました。
また
・自宅インターネット回線とのセット割引
についても、導入の敷居はご家庭によって大きく異なるため除外しています。

機種代金については「iPhone 8 64GB」を購入したと仮定し
NTTドコモ…24回払い、月々サポートあり
au…48回払い、アップグレードプログラムEXに加入
の場合で計算を行っています。


パッと見はauが安いが、容量が増えていったときの差に注目


試算結果を比べてみると、同じ段階制のプランながら
auは「2GBまで」が設定されていることから、より多く、使用する通信量が少ないユーザーに対応できることがわかります。

各容量別の料金では、
・最も小さな1GBまでの利用ではauが安い
・1GB以外の利用についてはNTTドコモが安い
という結果になりました。

今回は除外した
・自宅インターネット回線とのセット割引
・契約期間に応じた割引
などを加味すると両社の差額は狭まることも予想されます。

とはいえ、
・ドコモは、月によって使い方や通信量の変動にムラがある人向き
auは、シニア向けの機種やWi-Fi利用が多いなど、データ通信の利用が少ない人向き
というのが、2社の段階制プランのメリットと想定されるターゲットの違いと言えます。

スマートフォン向けの段階制プランは、まだ導入から1年も経過していません。
また導入もドコモとauのみで、まだ大手三社が揃っていません。

現状では人気もあり、契約者数も伸びていますが、
スマートフォンの料金プランの定番になるのか?
は、確定してはいません。

したがって会社別での「オトク度」も、今後、各社の競争によって大きく変わってくるでしょう。

それでも、
・自分の利用状況に合っていない料金プランへの不満
・自分に合った料金プラン選び
で悩む人にとって「段階制」のプランは、自分の使ったデータ量に応じた適切な料金を払えばいいというシンプルでわかりやすいサービスが増えたこと歓迎してよいでしょう。


迎 悟