WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権(5月10日〜13日)が、PGAツアーの”総本山”となるフロリダ州ポンテ・ベドラビーチのTPCソーグラスで開催される。

 今年は、3年ぶりにタイガー・ウッズ(アメリカ)が参戦。リッキー・ファウラー(アメリカ)や、ジェイソン・デイ(オーストラリア)ら歴代勝者のトッププレーヤーも顔をそろえ、白熱した戦いが期待される。さらに、松山英樹、小平智の日本勢も出場するため、日本でも例年以上に注目される大会となりそうだ。

 ところで、今大会が5月に開催されるのは、今年で最後となる。来年からは再び3月開催に戻されて(2007年から5月開催に変更)、以前のようにメジャー初戦となるマスターズの”前哨戦”といった位置づけになっていくのだろう。


積極的にツアー改革を進めていくジェイ・モナハンコミッショナー

 この日程変更は、就任2年目を迎えたジェイ・モナハンコミッショナーが、「PGAツアーをコアなゴルフファンだけでなく、より多くのスポーツファンへと、その層を広げていきたい」という大きな目標を掲げて、着々と進めているツアー改革のひとつ。来季からは、プレーヤーズ選手権に限らず、ツアー全体のスケジュールがドラスティックに変更されることになる。

 最大の目玉となるのは、7月までにすべてのメジャー大会が開催されること。そのため、これまで8月に行なわれていた全米プロ選手権は5月開催となる。そして、8月にはフェデックスカップ・プレーオフを行ない、9月初旬にはシーズンを終了させる。そのプランが、いよいよ来年から実施されることになるのだ。

 そうなると、3月にプレーヤーズ選手権が行なわれ、以降は4月にメジャー初戦のマスターズ、5月に全米プロ、6月に全米オープン、そして7月に全英オープンと、3月からの5カ月間は毎月ビッグトーナメントが開催されることになる。

 こうして、前述のように9月初旬でシーズンを終えることになるが、その狙いは全米で大人気のNFL(アメリカンフットボール)との視聴率争いを避けること。アメリカにおけるNFLの人気は、我々日本人の想像を超えるものがある。これに対抗するには、もはや時期をズラすしかないのが現状なのだ。

 ちなみに、ゴルフの4大メジャーについては、いずれも主催するのはPGAツアーではない。マスターズはマスターズ委員会、全米オープンはUSGA(全米プロゴルフ協会)、全英オープンはR&A(英国ゴルフ協会)、そして全米プロがPGA・オブ・アメリカが、それぞれ主催している。

 つまり、プレーヤーズ選手権こそ、PGAツアーにとっての、フラッグシップ(最高峰)の大会ということだ。過去には、常に”ゴルフ史上最高”の賞金を用意して、世界中からトッププロを集めてきた。ただし、昨年の賞金総額は1050万ドル(約11億5000万円)で、優勝賞金は189万ドル(約2億円)と、前年と同様だった。その結果、全米オープン(総額1200万ドル)やマスターズ(総額1100万ドル)よりも、賞金額は下がってしまった。

 ツアースケジュールだけでなく、モナハン会長は”テレビ放映”に関しても、大きな改革を検討中だ。現在は基本的に、木、金の予選ラウンドがケーブルテレビのゴルフチャンネル、土、日の決勝ラウンドがCBS、もしくはNBCのネットワーク(地上波)が放送しているが、この契約も2021年までで終わるからだ。

「NFLをはじめ、MLB(ベースボール)やNBA(バスケットボール)が実現しているように、PGAツアーが独自のチャンネルを持つ可能性がある」と、モナハン会長。現に、その手始めとして『PGAツアー・ライブ』というインターネットの有料コンテンツをすでに配信している。これはもう、現実的なところまで来ていると考えていいだろう。

 その他、女子ツアーのLPGAと提携した一環として、モナハン会長は「男女混合のミックスイベントや、(4日間)72ホールにこだわらず、(3日間)54ホールの大会の開催も検討している」という。

 そして、コミッショナーはこう続ける。

「これから、1〜2年でPGAツアーは大きく変わる。そのためには、積極的に改革を進めていきたい」

 ゴルフ人口の減少が懸念される昨今だけに、モナハン会長の手腕に大きな期待がかかっている。

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