夫の森川氏に全幅の信頼を置く

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 155cmと小柄ながら、豪快な“オーバースイング”からのロングドライブを武器に、ツアー通算23勝をあげた横峯さくら(32)。だが、優勝からは4年も遠ざかっている。その間、彼女を支えてきた「家族」との間に、大きな亀裂が生じていた──。

 2009年に6勝をあげて賞金女王を獲得するなど、日本で輝かしい成績を残した横峯が「米ツアー挑戦」を表明したのは2014年オフのこと。

「もともと彼女は大の飛行機嫌いで、米ツアーなんてまず無理だと思われていた。心変わりのきっかけは、2014年4月のメンタルトレーナー・森川陽太郎氏(37)との結婚だったそうです。“二人三脚であれば頑張れる”として、米女子ツアーのQT(シード権獲得のための予選会)を受け、出場権を獲得した。だが、結果は芳しくなかった」(担当記者)

 2015年は賞金ランク44位に食い込んだが、年を追うごとに成績を落としていく。昨年は賞金ランク137位でシード権を失った。

「過去の優勝者資格などを行使して今年は日本ツアーに参戦しているが、3月にはいきなり男子下部ツアーに参戦し、通算10オーバーの128位で予選落ち。復活への糸口は掴めていない」(同前)

 かつてと違うのは、成績だけではない。横峯の周囲から、彼女を支えてきた家族の姿が消えていた。

◆実家には帰っていない

 横峯は8歳でゴルフを始めた。実家のある鹿児島県鹿屋市で、父・良郎氏が娘のために自ら重機で山を切り開いて練習場を造ったエピソードは広く知られている。プロデビュー後も、良郎氏がバッグを担ぎ、料理が得意な母・絹子さんは、食事・栄養面でサポートした。プロゴルファー、キャディとなった2人の姉も心強い存在だった。

 米ツアー参戦についても、良郎氏が本誌・週刊ポストに「俺も家内も(渡米に)賛成しています」(2014年12月12日号)とコメントするなど、当初の関係は良好に見えた。それが、米国で結果が出ない中で変化していく。横峯家に親しい関係者がいう。

「2015年オフには父親の跡を引き継いで専属キャディを務め、“さくらの頭脳”といわれたジョン・ベネット氏との契約を解除。7年間で10勝以上あげたコンビを解消してしまいました。翌年からはハウスキャディを使ったり、夫の森川氏がバッグを担いだりするようになった。メンタルトレーナーの森川氏は競技ゴルフの経験はなく、コース攻略の助言ができているのかはわからない。母親が紹介した栄養士も辞めさせ、現地ではファストフードなど外食が多くなっていたとも聞く。その間に日本にいる家族とは疎遠になっていった」

 昨オフの米ツアーファイナルQTでは45位となり、辛うじて一部の試合の出場権を得たが、この試合では“元相棒”のベネット氏を日本から呼び寄せている。

「今年に入っても、開幕2戦目ではベネット氏に担いでもらい、3位に入った。ところが、その後はまた森川氏がキャディを務めるなど、迷走状態にある。

 家族との溝も深くなる一方。昨年の開幕前までは、良郎氏が自身のアカデミーの出身プロを引き連れ、さくら夫婦と一緒にフロリダでトレーニングをするなど、まだ関係が残っていたが、昨夏頃から完全に“絶縁状態”に陥った。さくらは帰国しても実家に立ち寄らず、あれだけ仲が良かった母や姉にさえ、連絡しないのです」(同前)

 かつて、試合中にキャディを務める父に対して横峯が「ウザい」と言い放ち、コース上で親子ゲンカを始めるといった類いの対立とは、違う次元での“断絶”が生まれているというのだ。

◆「正月も会ってない」

 良郎氏に真相を直撃すると、「あぁ、実家に寄り付きもしないよ。この正月も顔を出さなかった」と、断絶状態を認めた。良郎氏は、横峯の不振をこう嘆いた。

「あれじゃあダメだよ。成績が出ないのを周囲のせいにしてばかり。キャディや栄養士、通訳……みんなケンカ別れしてしまった。家族だって平気で切る。自分を支えてくれた人を粗末にするなといいたいよ。大体、あの亭主はゴルフのことは何も知らないんだ。それで米国で新しいコーチを雇ったそうだが、“こんなオーバースイングはダメだ”といわれて、直そうとしている。23勝もしたスイングをですよ。さくらは昔からパターイップスなの。上りラインが打てない。下りが打てるからプロとして生き延びている。あの亭主はそれすらわかっていない」

 義父から批判の矛先を向けられた森川氏に、トーナメント会場で話を聞いた。「さくらさんとお父さんの関係について……」と切り出した途端、表情が強ばる。

「僕は何も……」

──親子の間で何があったのでしょうか?

「家族の問題なので、僕は……。この話は、大騒ぎしないでいただきたい。(さくらは)すごく頑張っているところなので……」

 そう話し、横峯本人への取材は遠慮してほしいと付け加えた。所属事務所の担当マネージャーも、「親子関係の取材はすべて断わっている」と答えるのみ。

 ゴルフ界の名物ファミリーに生じた亀裂は、もう修復できないのだろうか。

※週刊ポスト2018年5月18日号