突然の音声事故を「6秒ルール」で低減。GoogleがPC/Mac版Chrome 66の音声自動ブロックを解説


米国Googleが、Webブラウザの最新版であるChrome 66デスクトップ版(PCとMac用)の特徴である、音声自動再生機能の改良について解説するブログ記事を公開しました(同バージョンは既に日本でも利用可能です)。

目玉となるのは「不要な自動再生を自動的にブロックし、無音にする」という機能。同機能が導入されたこと自体はリリースなどで触れられていましたが、詳細な動作についてはあまり解説がありませんでした。今回はこの動作について、詳細な情報が紹介されています。

判断の基本となるデータは、Chromeが取得したユーザーの閲覧履歴。「6秒ルール」(詳しくは後述)とも呼べるデータを元にして判断しているという、興味深い情報が公開されています。

閲覧履歴がないユーザーの場合には、デフォルトでセットされている「自動再生が許可される比率が高い1000以上のサイト」のみ音声の自動再生を許可し、それ以外のサイトは無音化されるとのこと。

さて、新たな見知らぬサイトに出会うのはWebブラウズの楽しみですが、「いきなり大音量で自動再生」は職場や電車といった公共の場では迷惑なこと。Engadget読者にも、こうしたサイトに遭遇してしまい、困惑した経験がある方もいるのではないでしょうか。

今回解説されている音声の自動ブロックは、こうした事故を防ぐための機能です。

ベースとなる機能は、2018年1月にリリースされたv64.0.3282.119以降で導入された、サイト毎に音声をミュートできるユーザーオプション。タブ上で右クリックし「サイトをミュート」を選択することで、Webサイトごとに音声のオンとオフ(ミュート)を切り替えられるものです。

Chrome 66では、これを強化し、事故が起こりそうなサイトを自動で判別して無音化するという動作に変更されているのです。
Googleが提示した新たなポリシーは、言ってみれば「6秒ルール」。Googleが取得したユーザー操作データでは、自動音声再生サイトのかなりの数が6秒以内に一時停止、ミュート、ないしタブを閉じられているとのこと。

これを元に「6秒以内に上記の無音化する行動」が取られたサイトを学習し、自動無音化を有効にするというわけです。

閲覧履歴がない新規のユーザーやサイトについては、ホワイトリスト式で対応します。先述した1000以上の非迷惑サイトのみ自動再生が許可されており、まずはそれを適用。加えて「6秒ルール」に基づいて無音化サイトのリストが更新されるため、ユーザーごとに最適化されたWebブラウズ環境が提供されるしくみと紹介しています。

結果としては、これらの改良により、半分以上の不要な音声再生がブロックされる、とのこと。ただし無効化されるのは「音声」のみで、動画そのものは無音で再生されます。

こうした動作のため、ユーザー側は、サイトによってはミュート解除の手間が増えることにもなりそうですが、それでも張り詰めた空気の中で大音量の不意打ちがピンチを招くという、最悪の事態を迎えることが減りそうなのはメリットでしょう。
とくに電車や出先でPCを使うヘビーユーザーにとっては、ありがたい機能ではないでしょうか。