今週のお役立ち情報
「名誉毀損事件」逮捕は、メディアの社会的責任忘却
2005年11月01日12時20分 / 提供:PJ
【PJ 2005年11月01日】−
今年8月1日、出版物やホームページで阪神タイガース球団関係者らの名誉を毀損したとして、記者・渡辺直子が神戸地方検察庁特別刑事部により在宅起訴された件で10月17日、1回目の公判が神戸地方裁判所(佐野哲生裁判長)で開かれた。検察側の冒頭陳述では、記者は出版社社長の誘いを受け、平成14年から平成15年、鹿砦社発行の「スキャンダル大戦争」に、記者の父が誰かに殺された可能性があるとして国と県を相手取って国家賠償訴訟を起し、警察の初動捜査のミスを提訴しているリポート記事の中に、阪神球団関係者らが、父を殺した犯人なのだとする記事を掲載して名誉を毀損。出版社社長は、平成15年から平成16年、鹿砦社発行の書籍や自社サイトで、パチスロ製造大手「アルゼ」(東京)の経営手法などを批判した際、同社役員の私生活に触れる記事を掲載して名誉を毀損。アルゼのライバル企業などからその会社役員に関する書籍約1万6000冊を約2700万円で買い取ってもらい、全国のパチンコ店などに送ったと指摘した。このたびの検察の冒頭陳述から、今年7月12日、「虚偽事実を提示し、インターネットを通じ、現在も名誉毀損が続いている。メディアの社会的責任を忘却した悪質な事案」という検察の出版社社長への逮捕理由を納得することができた。つまり、検察はメディアの社会的責任を忘却した出版社社長の行為が悪質だという理由で、逮捕に踏み切ったということである。
去る7月12日、出版社社長が逮捕された日の午後8時ごろ、神戸司法記者クラブでは、鹿砦社・松岡容疑者の逮捕を受け、記者の弁護士でもあり、社長の弁護士でもある金井塚康弘弁護士が、社長の逮捕は検察による不当逮捕であり、表現の自由の弾圧だとして、検察に即時釈放を求めたことを会見で明らかにした。だが、検察側は、釈放すると証拠隠滅の可能性があるとして、社長の逮捕勾留理由を依然として崩すことなく、現在に至っても、社長は勾留されたままでいる。
出版社社長は、メディアを担う社会的責任がある
松岡社長は、おもしろい本を作って売ろうとする考えが先行し、出版社社長というメディアの社会的責任を忘却してしまったことが、検察による逮捕、勾留、ひいては、店じまいへと追いやられてしまった原因であろう。ところが、この度の松岡社長の初公判においての意見陳述では、松岡社長自身が、出版社の社長としてのメディアの社会的責任について、何も語らなかった。
接見弁護士は、社長が忘却したメディアの社会的責任についてどう考えるのか
検察による逮捕が、「表現の自由の弾圧」だと話す松岡社長に対して、接見弁護士は松岡社長に、メディアの社会的責任の忘却があるのだと説明はしなかったのだろうか。弁護士が説明せず、社長の意志を継承する形で会見に臨み、その報道により、社長の支援者が検察批判をしながら、社長を支持する構図になっているとしたら、その事態こそが危険である。社長らによるメディアを利用した事実誤認で成り立つ検察批判は、事件の迷走を目論んでいる意図性をも感じる。名誉毀損事件と記者の父が誰かに殺されたとする事件、どちらの事件も迷走しない方法を模索することが、今後の記者の使命だと考える。
この阪神球団関係者の名誉棄損事件にからみ、起訴された記者はこのほど、共犯とされる出版社社長が記者の名誉を毀損したとして、神戸地方特別刑事部に刑事告訴した。出版社社長は、04年8月と04年12月に、自社の出版物である「スキャンダル大戦争8号」、「スキャンダル大戦争9号」に、記者の父を殺した犯人と思われる人の名前を、実名で本などに掲載することを提案し、印刷物に掲載したのは、松岡社長であることが事実であるのに、記者が実名表記にこだわったから掲載したのだとする、真相と異なる内容の記事を掲載したからである。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 新納 直子【 兵庫県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
去る7月12日、出版社社長が逮捕された日の午後8時ごろ、神戸司法記者クラブでは、鹿砦社・松岡容疑者の逮捕を受け、記者の弁護士でもあり、社長の弁護士でもある金井塚康弘弁護士が、社長の逮捕は検察による不当逮捕であり、表現の自由の弾圧だとして、検察に即時釈放を求めたことを会見で明らかにした。だが、検察側は、釈放すると証拠隠滅の可能性があるとして、社長の逮捕勾留理由を依然として崩すことなく、現在に至っても、社長は勾留されたままでいる。
出版社社長は、メディアを担う社会的責任がある
松岡社長は、おもしろい本を作って売ろうとする考えが先行し、出版社社長というメディアの社会的責任を忘却してしまったことが、検察による逮捕、勾留、ひいては、店じまいへと追いやられてしまった原因であろう。ところが、この度の松岡社長の初公判においての意見陳述では、松岡社長自身が、出版社の社長としてのメディアの社会的責任について、何も語らなかった。
接見弁護士は、社長が忘却したメディアの社会的責任についてどう考えるのか
検察による逮捕が、「表現の自由の弾圧」だと話す松岡社長に対して、接見弁護士は松岡社長に、メディアの社会的責任の忘却があるのだと説明はしなかったのだろうか。弁護士が説明せず、社長の意志を継承する形で会見に臨み、その報道により、社長の支援者が検察批判をしながら、社長を支持する構図になっているとしたら、その事態こそが危険である。社長らによるメディアを利用した事実誤認で成り立つ検察批判は、事件の迷走を目論んでいる意図性をも感じる。名誉毀損事件と記者の父が誰かに殺されたとする事件、どちらの事件も迷走しない方法を模索することが、今後の記者の使命だと考える。
この阪神球団関係者の名誉棄損事件にからみ、起訴された記者はこのほど、共犯とされる出版社社長が記者の名誉を毀損したとして、神戸地方特別刑事部に刑事告訴した。出版社社長は、04年8月と04年12月に、自社の出版物である「スキャンダル大戦争8号」、「スキャンダル大戦争9号」に、記者の父を殺した犯人と思われる人の名前を、実名で本などに掲載することを提案し、印刷物に掲載したのは、松岡社長であることが事実であるのに、記者が実名表記にこだわったから掲載したのだとする、真相と異なる内容の記事を掲載したからである。【了】
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