恋がうまくいくかどうかは、出会った瞬間に大きく決まっているといっても過言ではない。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しないのだから。

どうしたら、最初のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回は成功確率の高い知人からの紹介で、女がやってしまったミスは何?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?




高校時代からの友人である亮介に、“嫁の友達を紹介したい”と言われたのが彩香との出会いだった。

「拓海さぁ、最近別れたんだよな?」
「そうそう。暇すぎて、ベランダでプチトマトとか栽培してるよ(笑)」

そう冗談半分で言ったものの、前の彼女と別れて以来特に付き合いたいと思う人もおらず、気ままな独身生活を謳歌していた。

亮介の嫁・佳菜子とは、何度か会ったことがある。

かなりの美人だが、元々かなりの遊び人だったことは、亮介以外には周知の事実だ。

「佳菜子の友達で、今彼氏探しているんだって」
「そうなんだ。じゃあとりあえず会ってみるか」

そんな気楽な感じで亮介がセッティングしてくれた会だった。

僕の前に現れた彩香は、佳菜子に負けず劣らずの美人だった。

しかし、”紹介”という断りづらいシチュエーションにも関わらず、僕は初対面で彼女にちょっと引いてしまったのだ。


拓海が彩香にNGを出した理由とは?


解説1:初対面なのに、なぜそこまで情報がダダ漏れなの?


亮介が予約してくれたのは、麻布十番にある『クチーナ ヒラタ』だった。

「こちら、私の友達の彩香です」

紹介された彩香はなかなかの美人で、亮介の嫁にグッドジョブだと言いたくなった。

「どうも、拓海です。彩香ちゃんは、佳菜子ちゃんの何繋がりのお友達なのかな?」

「元々、年齢も職業もバラバラなんですが...共通の女友達がいて、そこから仲良くなったのがきっかけです」

-あ、ナルホド...。

思わず佳菜子の顔をチラリと見てしまった。佳菜子の“遊び友達”ということは、相当経験値が高そうだ。

「へぇ〜そうなんだ。じゃあ大人になってから仲良くなったってことかな?いいよね、そういう関係も」

佳菜子も結婚してからすっかり落ち着いたし、彩香も結婚したら変わるだろう。そんなことを考えながら、二人の顔を交互に見比べている時だった。

「お二人は、高校から早稲田で一緒なんですよね?」

-あれ?よく知っているな。

彩香の一言に、僕は素直に感心した。しかし女同士のこと。きっと佳菜子が、僕と亮介の関係を既に話していたにちがいない。

「そうそう。もう腐れ縁みたいに長い付き合いだよ、な?」
「本当に。かれこれ20年来の付き合いになるよなぁ」

そこから暫く、亮介と昔話に花が咲く。高校時代から二人とも中身はあまり変わっていない。

彩香は、そんな僕達のくだらない話を笑顔を浮かべて聞いている。

「拓海さん、好き嫌いはないですか?苦手なものがあれば言ってくださいね♡」
「前菜は野菜を使った料理がいいですよね♡拓海さん、きっと激務で外食多いでしょうから、健康のために野菜たくさん食べてくださいね」

メニューを選ぶときに、彩香が僕にそう語りかけてくれた。

その後も、こまめにお皿を変えたり店員さんを呼んで飲み物をオーダーしている彼女。気配りのできる良い子なんだなぁ、と思っていた。




「確認ですが、拓海さんは、今彼女いないんですよね?」

「うん、今はいないよ。そろそろ結婚しないとなぁとは思っているんだけどね。なかなかいい人がいなくて。こんな変わり者、好きになってくれる人がいればいいんだけど(笑)」

佳菜子の質問に対して、なんの気もなく発したこの一言。しかし、この発言に対する彩香の反応に、僕は驚くと同時に疑念を抱いた。

「拓海さんって変わっているんですか?あ、トマト栽培とか?」

-ど、どうしてそこまで知っているんだ…?

確かに、最近ベランダでプチトマトを栽培し始めた。しかしそのことは、亮介に軽く話した程度である。

佳菜子は、どこまで僕の情報を彩香に話しているのだろうか。いくら知人の紹介とは言え、自分のいない所であれこれ言われるのは好きではない。

この調子でいくと、僕のバックボーンは全て筒抜けに違いない。

「よく知っているね(笑)そうそう。変でしょ?」

そのまま笑いに持っていったものの、どこかスッキリしない自分がいた。


2軒目でトリュフ登場。その時の反応で分かる女の有無


解説2:見え透いたカマトト演技は逆効果


そのまま、麻布十番の『Wine bar Spade』へ皆で流れる。しかし、ここで気を使った亮介夫妻が“明日早い”と言い始めた。

「どうする?僕はまだ時間大丈夫だけど、彩香ちゃんが良ければ、もう一杯くらい飲んでいく?」

せっかく紹介してもらったご縁だし、まだ時間も早い。もし彩香が良ければ、もう一杯くらい飲みたい気分だった。

「もちろん!私は家も近いし、時間も大丈夫です。せっかくだから、飲みましょう!」

快諾してくれた彩香と改めて乾杯をする。しかし飲んでいたらお腹がすいてきたので、“フライドポテトトリュフ風味”を頼むことにした。

「ちょっとお腹空いたから、トリュフのフレンチフライでも頼む?」
「いいですね〜♡トリュフって美味しいですよね」




最初は喜んでいた彩香だったが、いざフレンチフライを目の前にすると、急に動かなくなった。

「あ、ごめん。彩香ちゃんみたいにスタイル良い子は、さすがにこの時間にフレンチフライなんて食べないか...」

「いえ、ポテトは大好きなんですが、トリュフってあまり食べる機会がないので…」

-トリュフをあまり食べる機会がない?

その言葉に、僕は思わず身構える。

彩香は、佳菜子が派手に遊んでいた時代の友達だと言っていた。絶対に何十回、いや何百回と食べているはずだ。

そもそも東京にいてちょっとおしゃれな生活をしている女性ならば、少なくともトリュフのフレンチフライなんてよく目にするはず。

-わざと知らないフリなんてしなくていいのに...なんかこの子、計算高いな。

「でも拓海さんはどうしてそんなによく食べるのにスタイルがいいんですか?何かスポーツされているんですか?」

確かに僕は最近ランニングにはまっており、週末は走るようにしている。もしかしてこの質問も、その情報も知った上でしているのだろうか?

どこまで自分のことを事前リサーチされているのか分からず、怖くなった。また、どこから本心で、どこまでが演技なのかも見えてこない。

-良い子なんだけど、なんか違うなぁ...。

そう思い、翌朝来た彩香からのLINEに失礼のないよう丁重にお断りをした。

-拓海:昨日はありがとう!またみんなで会おうね^^

女子同士の情報交換が盛んなのはよく分かる。しかし、やり過ぎは禁物だ。

また、事前リサーチで割り出した相手のタイプに無理やり自分を合わせると、逆に失敗するのがオチである。

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