半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に、「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

ここ数日、お酒絡みの事件が世間を賑わせています。一体どうして、人はお酒に狂わされてしまうのか?不思議に思う女性は多いはず。

実は、本人や周囲に「もうヤバイところまで来てる」といった自覚が無く、危険なお酒になっていることが多々あるのです。

ただ、その境界線がわかりづらいところ。そこで今回は泥酔した人の電話に的を絞って、大丈夫なパターン、危険なパターンをご紹介します。泥酔した人から電話を受けた場合、どんな風に対応すべきか?堅実女子の皆様のご参考にしていただければと思います。

また、自分がお酒に酔って電話をしたくなったorしてしまったときにも、この記事を思い出して少しでも冷静な判断力を取り戻していただければ幸いです。

「自分はダメだ」と言いながら電話する人は意外と立ち直れる

泥酔すると電話したくなってしまう人って、結構いますよね。電話のパターンで最も多いのが、悩みごとがあるときにお酒でまぎらわせていたら泥酔に至り、寂しくて友人に電話……という流れ。

例えば、筆者の女友達・まりあちゃん(仮名)がこのパターン。彼氏と別れてから1か月ほど、信用できる女友達にしょっちゅう泥酔電話をしていました。

年齢は当時、20代後半。その彼氏とは3年間付き合って婚約もしていたのですが、あまりにダメンズで自ら意を決して別れを提案。それで心に寂しさが残っていたのでしょう。彼との思い出をたどり「そういうところがダメだった」と友達に突っ込んでもらうような内容の電話ばかりしていました。そして自分も「そうだよね、ダメだよね」と確認するのです。

まりあちゃん、自分から別れたもののその彼に情が残っており、それを断ち切るために必死だったんですね。このタイプの泥酔電話は同じことの繰り返しで、すごく長引きます。電話を受ける側からすると、翌日の仕事にも響くし、聞き飽きているしで、うんざり。

バーテンダーをしていてわかったことなのですが、こういう電話をしてくる人は普段の生活ではとてもきっちりした責任感の強いタイプが多いのです。お酒の力を借りないと、弱い自分をさらけ出せないのかもしれません。

筆者は泥酔電話がかかってきた場合は、このタイプで友情を感じる相手に限り、辛くても一定期間は付き合うことにしています。幸いまりあちゃんの泥酔電話は、毎晩 → 3日に一度 → 1週間に一度、と目に見えて減っていき、すっかり立ち直りました。

失恋時にこういう電話をしてしまった、または受けた経験は、堅実女子の皆様にも何度かあると思います。健康な精神を持った人が、すごく悪い時期に一時的にハマってしまう沼のようなものです。

このように、泥酔電話が一定期間ピンポイントな場合はわりと大丈夫。怖いのが「なんだかここ半年、唐突に泥酔電話をしてくるなぁ」というのが急に始まり、不定期に長期で続く場合です。

「自分は大丈夫」と言いながら電話する人はかなり危険信号

筆者にとっては数少ない、心を許せる友人の一人にノボル君(仮名)という40代男性がいました。彼はまりあちゃんと同じく普段はとても几帳面でしっかりした人。同性愛者のノボル君には、異性愛者でいうところの結婚相手に等しい彼がいて、10年以上連れ添っていました。

世話焼きで頭が良く仕事もできるノボル君は筆者にとって結婚生活その他いろいろ相談できる誠実な友人、ノボル君からすると筆者は少し年上の発想豊かなお姉さん的存在。そのノボル君がある時期を境に、唐突な泥酔電話を何度もかけてくるようになりました。

そうなる1年ほど前に、ノボル君は10年以上連れ添っていたパートナーと別れました。その報告を受けた時は彼の中では気持ちの整理がついた後で、「一人だとこんなに自分の時間が持てるのね!」と、新たな生活に前向きでした。

ノボル君はモテるので、彼がフリーになったと知った各方面から引く手あまただったようですが、本人は「しばらく恋愛はいい」と静かな生活を楽しんでいるようでした。

それから1年以上たち、ノボル君が筆者に唐突な泥酔電話をかけてきた際、彼の生活は激変。新しい恋人ができたのはいいのですが、お相手がちょっと常識に欠ける、いわゆるダメンズだったのです!

最初の泥酔電話は「俺がお世話してあげないとダメなかわいい人なの」と惚気話だったのですが、その時点から筆者「ちょっと変だな」と感じる点がありました。

そもそもノボル君は、相手を思いやる常識人。よほどの緊急事態でもない限り、子持ちの筆者の生活時間に配慮した時間帯しか、電話をして来たことがなかったのです。

そんなノボル君がちょうど子どもを寝かしつける時間帯に、泥酔しておのろけばかりの長電話。最初は「久しぶりの恋で舞い上がった一番楽しい時期だしね」と納得した気になっていましたが、思えばあの時点からノボル君の心は病み始めていたのかもしれません。

常識人のノボル君がどんどんダメになっていき深刻な状態に

その後、変な時間に唐突に泥酔電話をしてくることが不定期に半年以上続き、内容も苛烈化していきました。新しい恋人がわりと深刻なダメンズであることが徐々に判明し、色々と揉めては警察まで登場する事態に。

しかし電話口のノボル君は、自己申告では今後の対策についても考えをまとめており「大丈夫大丈夫、次はこうするから」と隙の無い利発な理論で打開策まで報告してくるのです。話の内容は理路整然としてはいるのですが、ベロベロに酔っている様子がわかります。

何度も「大丈夫」と言われ続け、ノボル君の社会的スキルが高いことも知ってはいましたが、筆者としてはノボル君の精神状態が心配。会いに行きたかったのですが、折悪く公私ともにイレギュラーな激務が重なった時期で、全く時間がとれませんでした。

そしてついに、本当に大変なことが起きてしまったのです!一体何が起きてしまったのか?詳細は、後編でお話しします。

実は人に心配かけさせまいと強がる人の方が危険!

実は、責任感の強い人の方がお酒に飲まれてしまう!?頭が良くてしっかりしているノボル君の身に起こった、予想外の出来事とは?〜その2〜に続きます。