イ・ボミ

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 女子ゴルフの2015、16年賞金女王でツアー通算21勝のイ・ボミ(29)=延田グループ=が自身初の深刻なスランプと闘っている。最近は「何で今まであんなによかったんだろうとか考えてしまう。どうしよう、どうしようという感じ」と話すなど悩みは深く、現時点では不振脱出への光は見えてこない。“スマイルキャンディ”の愛称で親しまれた“最強韓流女子プロ”はこのまま埋もれてしまうのか。

 4月末、サイバーエージェントレディース(静岡県三島市・グランフィールズCC)の会場で話を聞いたイ・ボミは、全盛期とは別人のようだった。愛らしいマスクからは以前の輝きが消え、明らかに自信を失っているのが分かった。

 では、イ・ボミがどれだけの不振に陥っているのか、数字で検証してみよう。全盛期は2015年。女子初の2億円台となる約2億3050万円を積み上げて初の賞金女王の座に就くと、翌16年も約1億7587万円で2年連続のマネークイーンに輝いた。

 暗転は17年。優勝はCATレディースの1回だけ。賞金ランクは約4684万円で23位へ急降下した。そして今季。先週のサイバーエージェントレディースまで7試合に出場して予選落ち2試合、最高順位はスタジオアリス女子オープンの11位で、賞金ランクは約325万円で59位と低迷している。

 不振を裏付ける数字で分かりやすいのは平均ストロークだろう。1ラウンドあたり平均何打で上がったかを示すもので、全盛期の15年は70・1914、16年は70・0922だったものが、17年は71・5203と大幅に悪化。今季に至っては先週までの数字で72・8928と全盛期を知る者としては“あり得ない”状況となっている。

 不振の主な原因はショットの不調。サイバーエージェントレディースの初日は4アンダー68を出しながらも、15番ではティーショットが左隣のホールに行ってしまったこともあり、眉間にしわを寄せながら、自分の現状を見つめた。

 「(1番から出て)13番からティーショットが左、左にいってしまった。前半がすごくいい感じでバックスイングが上がっていたので、それを意識しすぎて肩を回さなくなって、左にしかいかなくなってしまった。なので、今日は終わってよかったと思います。途中恥ずかしくて家に帰りたかった。アイアンとパッテイングはよかったので、スコアが出たと思います」

 そして、こうも打ち明けた。

 「何で今まであんなによかったんだろうとか思ってしまう。今は悪いことばかり考えて、どうしよう、どうしようという感じ。ポジティブに考えたいのですが、悩みが終わらないですね」

 今季開幕後は親交がある男子の石川遼からもアドバイスをもらっているという。

 「石川プロからは、左を怖がってクラブが寝て下りるから、インパクト後にクラブが(体から)遠くなるのが問題と言われました。(インパクトで)フェースの向きを真っすぐにしようとしたら手だけが離れてしまう。意識をかえたら、今度は(フェースが)開いてプッシュアウトになるから、右も怖くなりました」

 この言葉からも、一筋縄ではスランプを脱出できない状況だということが伝わってくる。イ・ボミの輝くような笑みはいつになった見られるのか。スランプ2年目の今季が正念場といえそうだ。(デイリースポーツ・松本一之)