球団特別補佐に就任し、今季試合には出場しないことになったマリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

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柵越えの技術を持ちながらヒットにこだわった姿勢を称賛

 マリナーズイチロー外野手は3日(日本時間4日)、球団特別補佐に就任し、今季試合には出場しないことになった。メジャー18年のキャリアで史上30人目の3000本安打を記録したレジェンドに対し、米全国紙「USAトゥデー」電子版では特集を展開。オリジナリティ溢れる存在に「最初から模倣不可能」だったと賞賛している。

「イチロー・スズキ、本塁打全盛期に生きた最後の稀少種」と題した特集記事では、メジャーで異彩を放った背番号51の18年間の輝きについて振り返っている。

 全米デビューした2001年には、MVP、新人王、首位打者、盗塁王など個人記録を総ナメ。メジャーでもヒットを重ね、強肩好守でも見る者を沸かせ、さらに独特なファッションセンスでも注目された。年を追う毎に輝きとオリジナリティは増すばかり。「2001年に大きな興奮と興味の真っ只中でメジャーに登場した瞬間から、イチロー・スズキは彼がオリジナルな存在であり、絶対に模倣不可能であることを明確にしていた」と、唯一無二の存在であったことを指摘している。

 その一方で、その打者としてのスタイルは、ある流れを踏襲していた。それが「ロッド・カルー、トニー・グウィンら広角にヒットを打ち分ける名手」の流れだ。だが、フライボール革命が起こり、ホームラン全盛期となった現在、単打を量産するタイプについて「時代錯誤となった」と記事では分析。イチローを心酔するマリナーズのディー・ゴードン外野手のようなスピードスターは「残された稀少種」だという。

 また、昨季のメジャー打率上位60人で10本塁打以下はわずか4人で、上位50人ではツインズのジョー・マウアー内野手のみだったことも紹介。メジャーのシーズン安打数を見ても、イチローが2004年にメジャー記録となる262安打の金字塔を打ち立てて以来、2014年にアストロズのホセ・アルトゥーベ内野手が225安打を放っているが、「262」という壁はなかなか越えられない偉大なものであるとも指摘している。

 イチローが打撃練習中に柵越えを連発することは有名な話だ。打とうと思えば長打も打てる技術を持ちながらも単打を積み重ね、その数はメジャー史上5位の2514本に及んだ。パワーではなく打つ技術、そして走る技術で安打を重ねた“ヒットアーティスト”。記事では「彼が持つ数々のスキルは惜しまれるだろう」と締めくくっている。

 パワー全盛期の中でも、匠の技術で光を放った安打製造機。その存在はこれからも長く語り継がれていくことだろう。(Full-Count編集部)