あなたはご存知だろうか。

日本国内最難関・東京大学に入学を果たした「東大女子」の生き様を。

東京大学の卒業生は毎年約3,000人。

しかしそのうち「東大女子」が占める割合は2割にも満たず、その希少性ゆえ彼女たちの実態はベールに包まれている。

偏差値70オーバーを誇る才女たちは卒業後、どのような人生を歩んでいるのか。

前回は、隠れにゃんにゃんOLが登場。さて、今週は?




<今週の東大女子>

氏名:白井由紀
職業:IT系ベンチャーのマーケティング・営業
学部:工学部
住居:六本木一丁目で彼氏と半同棲中
ステータス:勤務先のCEO(アメリカ人)と交際中

「とりあえず、泡で」

赤いルージュが丁寧に引かれた唇をゆっくり開き、由紀は慣れた様子でシャンパンを注文した。

グラスに伸ばした指先はほっそりと白く、長い。

長い睫毛に縁どられたキャット・アイが印象的な、クール・ビューティだ。

西麻布『goblin』のカウンターにゆったりと腰掛けるその様には、貫禄すら漂う。

一見すると‟港区女子”のようだが...彼女もまた、選ばれし東大女子の一人である。

「久しぶりだなぁ、こうしてゆっくり飲むの。転職するまでは、毎週末必ず飲みに出てたんですけどね」

彼女はおよそ1年前、4年間勤めた大手外資系コンサルティング会社を退職し、とあるIT系ベンチャーに転職したのだという。

「お給料が減ったからというのもありますけど…それ以前に、仕事が忙しすぎて毎日が本当にあっという間。

...でも、転職して良かったと心から思っています。お給料は半減しましたが、それ以上に得られているモノがありますから」

そう言うと由紀は、冷たさを感じるほどの整った顔でにっこりと微笑んだ。

「今勤めているベンチャーでは、マーケティングと営業を担当しています。

事業パートナーやクライアントからのフィードバックを得て、エンジニア達と議論しながらプロダクトに磨きをかけていく。そのプロセスが本当に楽しいですね。

…自分の子供を育てるってこんな感じかなぁ、なんて思ったり。

自分やクライアントの声を元に、求められる機能が実際に実装されたときのワクワク感ってすごいんですよ!」

そのクールな印象からは想像できないほど、彼女は熱く仕事への思いを語ってくれた。

「自分が事業を育ててるって肌感覚があるのが、何より刺激的で楽しいですね」

...それもそのはず、である。

生き生きと語る彼女は勤務先において、ただの“いち社員”ではないのだ。


華やかな外コン女子だった由紀が転職を決意したキッカケは、金より愛?


何を隠そう白井由紀は、勤めているITベンチャーのCEO(アメリカ人)と交際中なのだという。

「彼との出会いは、外コン時代に参加したIT系ベンチャーが集まるシンポジウム。

東大の先輩が勤めてる外資系IT企業で、3か月に1度、新進気鋭のベンチャーを集めたシンポジウムを開催してるんです。

最新のIT業界には興味があったので、勉強がてらちょくちょく顔を出してたんですよ。そこで、彼と出会ったんです」

なるほど、やはり東大女子は恋人との出会い方すら高尚である。

気付けばシャンパンから白ワイン、赤ワインと結構なペースで飲み進んでいるはずだが、彼女は顔色一つ変えず淡々と続ける。

「その時、初めて聞いた彼のプレゼンがとっても面白くて、後で直接話を聞きに行ったんです。そしたら彼の方は何故か私に一目惚れだったらしく…

彼がアメリカ人ということもあり、それはもう熱烈にアタックされて...お付き合いを始めて、その後すぐに仕事も一緒にするようになりました」

つまり彼女は現在、生活のほぼすべての時間を恋人兼CEOとともに過ごしている。

「仕事とプライベートを混同するのは良くない、なんていう人もいますが…私からすると、むしろ分ける意味がわかりませんね。

仕事に費やす時間を恋人とも過ごせたら、無駄がなくて一石二鳥じゃありません?」




東大女子は、金より愛?


「彼と出会う前、私は仕事への不満で毎日モヤモヤしていました。

どの案件にアサインされても上司は責任逃れや手を抜くことしか考えていないように見えましたし。

『クライアントのおじさま達にウケが良いから』とかいう理由でしょっちゅう接待ディナーに駆り出され、そのクセ案件自体はいつも“なぁなぁ”でちっとも進めようとしない。

社内でも割と大きな予算がついている案件を任された時も、付けてもらえた部下は新人たった2人だけ。

その時に、『ああこの会社は、本当に事業を動かそうなんてちっとも考えていないんだ』って、見切りをつけましたね」

由紀はそう言って小さく唇を噛み締めると、首を振った。

「だからたとえ給料が半減しても、彼の会社に転職することに迷いはなかったんです」


東大女子は金より愛より○○?東大女子・由紀の口から放たれた、驚きの価値観


恐るべし、東大女子の向上心


「彼は本社のある西海岸に居ることがほとんどなんですが、東京ブランチを立ち上げていた去年は、ほぼ毎週来日していました。

その際はうちに泊まっていたんですが、本当に見ていて感心するくらい仕事熱心で。

彼のそういうところに惚れてました。一緒に居ると自分も良い影響を受けられる人って、素敵ですよね」

そう言って微笑む彼女は実に幸せそうだ。

...しかしその後に続いた言葉は、“幸せな恋愛に満たされた女”からは想像も出来ないものだった。




「でも実は、この会社も彼も...そろそろお別れかな、と思ってるんです」

冷酷な一言を、由紀は実にサラリと口にした。

「つい先月、2回目の資金調達も完了して…メインターゲットだった大口案件も契約締結したので、急に仕事が落ち着いたんです。そんな中でのんびりやっていくのって、私にはやっぱり肌に合わなくて。

...それにCEOである彼も、契約締結が決まった途端、なんだかこれまでのように“必死にもがく”っていう気概がなくなった気がして。

私、そういう男の人にあんまり色気を感じられないんですよね」

類い稀な才覚とバイタリティを併せ持つ東大女子・由紀は、理想の仕事、理想の恋人を手に入れてもなお向上心が尽きることはなかったようだ。

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“東大女子は労働に向いていない”。早々に悟った女が選んだ、意外すぎる生き方とは?