プロムにチャイナドレスを着て批判を受けた女子高生(画像は『Keziah 2018年4月22日付Twitter「PROM」』のスクリーンショット)

写真拡大

欧米では高校生活の最後を飾るプロムはまさに一大イベントであり、その衣装選びも大切といえよう。このほど米ユタ州の高校生が選んだドレスがネット上で話題になり、物議を醸している。『news.com.au』『The Sun』などが伝えた。

ユタ州のキザイア・ダウムさんが、自身のツイッターに投稿したプロムのドレスが思わぬ物議を醸すことになった。というのも彼女はプロムの衣装に、中国の伝統的な衣装であるチャイナドレス(チイパオ)を着たからだ。

4月22日のツイッターには、深いスリットの入った赤、黒、金の豪華なチャイナドレスを着たキザイアさんが、プロムへ向かう途中で友人たちと撮った写真が公開されている。チャイナドレスに身を包んだキザイアさんは仲間たちと満面の笑みを見せていた。ところがこの写真を見たユーザーからは、このような批判の声が相次いだ。

「チャイナドレスはプロムドレスになるような安っぽいもんじゃない。文化の重みってものを知らなすぎ!」
「私はアジア人だけど、韓国や日本、その他のアジアの国の伝統的衣装なんか着ないわ。アイルランドやスウェーデン、ギリシャの伝統衣装だって着ない。だって伝統的な衣装には、多くの歴史的背景が隠されているから。なんだか悲しいわ。」
「プロムのテーマって、文化的差別だったっけ?」
「中国人数人が『たかがドレスだし別にいいんじゃないの』って言ったとしても、全員がそう思っているとは限らないわ。私たちの文化衣装はファッションでもないし、あなたのような米国人が“エキゾチック”に見せるために着る物でもない。」
「これって、よそ者が我々の土地にやってきて植民地支配した時代を彷彿させるだけ。」
「チャイナドレスが外国に媚びた服装として批判を受けた時代があったということを知らないんでしょうね。」
「ドレスの背景には多くの歴史が刻まれているの。あなたのような白人は中国文化とは関わりがないじゃないの。」
「中国文化を軽視しているとしか思えないよ。」

一方で、キザイアさんを擁護する声もあがっている。

「別にたいしたことじゃないでしょ。彼女は中国の文化を賞賛するために着たんじゃないの?」
「たかがドレスじゃない。美しいし素敵なデザイン。きっとリスペクトして着ていると思う。中国への中傷の意図はないと思うけど。」
「アジア人の私は、別に侮辱されているとかは思わない。とても美しいわ。」
「『チャイナドレスはプロムドレスになるような安っぽいもんじゃない。文化の重みってものを知らなすぎる!』とツイートした奴は、数ある中からこの女性のツイッターを選んで、わざわざいちゃもんつけて苛めているに過ぎない。これで侮辱と受け取るなら、このツイートをした本人の方がよほど文化への概念が浅いよ。」
「なんでみんなもっと大人になれないのかな。人が着ている服に対していちいち過敏になる必要なんかない。」

キザイアさんは、多くの反響を受けてこのようにツイートした。

「もし誰かを不快にさせてしまったのならごめんなさい。私は中国に対して軽蔑する気持ちは全くありません。でも悪いことをしたわけではないので、ツイートを削除しません。私にとってはただのドレスなの。でもとっても美しいドレスよ。」

キザイアさんは「中国人の血が混じっているのか」と質問してきたユーザーに対して、「いいえ。ただ素敵なドレスをヴィンテージショップで見つけただけよ」と返している。このニュースを知った人からは「いい加減にして。じゃあ私が黒のシャツを着ていたら黒人差別になるわけ!?」「何が問題なのかわからない」「とても似合っているし美しいわ」「いつもネット上ではこうやって誰かの投稿に怒りをぶつける奴がいるんだよね」「欧米人、中華料理好きじゃないか。料理を食べても何も文句言わないくせに、着る物には批判するのか」「誰が何を着ようと大きなお世話」といった声があがっている。

画像は『Keziah 2018年4月22日付Twitter「PROM」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)