今週の「女のもやもやセラピー」のテーマは、「年齢不詳な女」です。

美容業界を中心に、長らく「年齢不詳な女になろう」といった動きや特集があったりと、年齢不詳な女=いいものとされる向きもあります。しかし、一般人に対して「あの人って、年齢不詳だよね〜」と言うときや「〇〇さんが、あなたのこと、年齢不詳だって言ってたよ〜」などと言われるとき、そこはかとないもやもやが生まれます。

「年齢不詳って、誉め言葉なんだろうか……」。

ある女性に対して、「年齢不詳」という言葉を使ったとき。相手がきょとんとした顔をする。すると、「あれ? もしかしたら、“いい意味”で、というひと言を足したほうがよかったんじゃないか……」という思いが頭をよぎります。でも、「いや、ここで言い換えてしまっては、よけに皮肉を言ったように取られかねない……」と歯を食いしばってニッコリ笑ってみたり。それは、そもそも「年齢不詳」という言葉が、誉め言葉として受け取られない場合がある、ということを知っているからです。そして実際、「年齢不詳」のもつ“幅”にかこつけて、さりげないマウンティングや皮肉に使うこともあるからです。

そもそも、「年齢不詳」とは、どういう意味でしょう。「年齢不詳」を小学館・デジタル大辞泉で引くと、「不詳」の項目に登場します。

[名・形動]くわしくはわからないこと。はっきりしないこと。また、そのさま。「害者の身元は不詳な(の)ままだ」「作者不詳」「年齢不詳」

一般的に女性に対して「年齢不詳」と言う場合は、「はっきりしないこと。また、そのさま」に当てはまります。本人や年齢を知っている人に聞けば、実際の年齢は一発でわかります。なので、辞書引用の「くわしくはわからないこと」には該当しませんね。

つまり、「年齢不詳な女」は見た目の問題です。服装、髪型、顔、肌など、「普通、年齢を重ねれば変わっていくに決まっている」ものが変わらない人、あるいは「〇歳だと、だいたいこのくらい」という一般的認識から外れている人が「年齢不詳な女」となります。若く見えるとか、老けて見えるといった、直接的な意味がないからこそ、誉め言葉にも皮肉にもなる“幅”ができてしまうのです。

その「年齢不詳」は褒めてます?ディスってます?

最近、「年齢不詳の女性芸能人」として多く名前が上がる石田ゆり子さんや深田恭子さん、少女時代の愛らしさがまったく失われない安達祐実さんや永作博美さんなど、実際の年齢を知ると、その見た目の若々しさとのギャップに驚いてしまう方々。また、女神の域に到達している松田聖子さんや後藤久美子さん、安室奈美恵さんそして叶姉妹さん、プリンセス天功さんなど、年齢という枠組みを超越している方々も、「年齢不詳な女」と言えましょう。この場合、「年齢不詳」は、美人、かわいい、若々しい、肌がキレイ、おしゃれ、ステキ、ミステリアス、ファビラスといった言葉と同義となります。

一方、「年齢不詳」には、ダサい、若作り、年相応じゃない、気味が悪い、イタイ、メイクが濃い、服がヘン、(たぶん)整形とかしてる、鼻につく、といった意味と同義になることがあります。この場合、「年齢不詳だよね」は誉め言葉ではなく、「年齢不詳なイイ女になるために頑張ってるんですかね、ふふふ」といった皮肉です。「年齢不詳」を笠に着た悪口と言ってもいいでしょう。よくないですね!

しかし、「年齢不詳な女」には「誉め言葉」と「皮肉・悪口」に加え、もうひとつ、めんどうなカテゴリーがあります。その同義語は、「扱いに困る」です。

たとえば、「顔のパーツのバランスは老け顔系でかわいくないけど、肌と髪の毛は抜群にキレイ」「見た目は若作りのおばさんだけど、若者文化感度が高くて年下男性の友達も多く、モテる」といった、ディスりの気持ちに羨ましさと憧れ要素が入り混じる場合。「老け顔」と「若作り」は悪口・皮肉の「年齢不詳」ですが、「肌と髪がキレイ」と「若者文化感度が高い」は誉め言葉の「年齢不詳」です。誉めてるの皮肉ってるのか、境界線があいまいになるのです。

また、このカテゴリーには、「時計やバッグなど、高級ブランドものばっかり持っていて、メークもやたら濃くてマダムっぽいけど、流行った曲とかテレビ番組とか、昔話などをしているとどうも年下のように思えてしかたがない」といった、「敬語を使うべきかフレンドリーに対応したほうがいいか、ムダに悩む」という場合も含まれます。

羨ましい、憧れるといった気持ちもなきにしもあらずだから、その部分を、「誉め」としての年齢不詳と表現することはできる、しかし一方で、悪口になりかねない要素も持っている……。「本人は気に入っているのかもしれない」という問題もあります。逆に「本人も気にしているのかもしれない……」という問題も生じます。「年齢不詳だよね」と言って、皮肉にとられたりしないだろうか……。考えれば考えるほどもやもやします。いい年齢不詳と悪い年齢不詳の境界線で揺れるのです。まぁ、そんなときには、「年齢不詳」という言葉を使わなければいいだけなんですけど。

でも、逆に言うと、誉めるときこそ、「年齢不詳」なんて言葉を持ち出さず、美人だと思うなら美人といえばいいし、かわいいと思う人にはかわいいと言えばいいし、若く見える人には若々しいですねと言えばいいのではないでしょうか。社会が誉め言葉として「年齢不詳」を使うことを浸透させてきたせいで、余計なもやもやが増えてしまったように感じます。いいとか悪いとかではなく、「そこはかとない違和感がある」という、なんとももやもやした気持ちの表現にこそ「年齢不詳」という言葉を使うべきなのではないでしょうか。それを本人に使うかどうかは別として。

その2では、働くアラサー&アラフォーと男性に聞いた「オフィスにいる年齢不詳(=違和感)の女性」の特徴を紹介します。続・年齢不詳は誉め言葉?「いい意味で」年齢不詳な女の特徴と皮肉の境界線はどこ?〜その2〜に続きます。

男性への「年齢不詳」認定は、「年甲斐のない」「若作り」など、「皮肉が込められている場合が3割」という説も有力。