南北情勢には注視が必要と語る高須院長

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 高須クリニックの高須克弥院長が世の中の様々な話題に対して、自由気ままに提言するシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、南北首脳会談について、お話をうかがいました。

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──4月27日に韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との南北首脳会談が開催されました。朝鮮半島における非核化の実現に向けて、両国が共通認識を持って進んでいくことを宣言しました。

高須:このまま本当に完全非核化が実現すれば、それは喜ばしいことだと思うね。朝鮮半島の人々はもちろん、これまでミサイルをちらつかせて、脅されてきた日本国民にとっても、本当に嬉しいこと。いつ攻撃されるか分からないという、なんともいえない不安から解放されることを意味しているわけだから、

──今回の会談をきっかけに、南北の融和が一気に進むとの見方も強いです。朝鮮戦争の終結、完全な非核化、さらにその先には南北統一までも視野に入っているという分析もあります。

高須:日本の隣国が平和に向かって進んでいくことはとても素晴らしいことだ。このまま近代国家としてどんどん成長していってほしいとも思う。

 でもこれまで日本がされてきたことを思うと、どこまで信用できるか分からないというのも事実だね。金正恩は、散々日本も韓国もアメリカも騙してきたわけだし、そんな人が急に「仲良くなろう」と言ったとして、それをそのまま鵜呑みにするというのは、ちょっと警戒心がなさすぎる。相手はかなり老獪であることはもう分かっているのだから、日本としては慎重なくらいの態度を保つべきだと思うね。

──アメリカのトランプ大統領は、早ければ5月下旬にも米朝首脳会談を開催する予定で、今回の金正恩委員長の動きに対しては、高く評価をしているという立場です。しかし、日本政府は一歩引いたスタンスであり、一部では「蚊帳の外」などと表現されています。

高須:たしかに蚊帳の外なのかもしれないね。いま北朝鮮は核の力を盾にして、周辺国家といろいろ交渉しているわけだ。極端なことを言えば、「戦争をしないために、どうするか」という交渉だよ。そういう意味だと、そもそも軍隊を持っていないとされている日本なのだから、その交渉の場に立っていないことはむしろ正しいことなのかもしれないね。日本にはそもそも戦争をするという選択肢がないんだから、交渉すらできないはず、という考え方だね。ちょっと飛躍した論理だけど(笑い)。

 でも、もしも「軍隊を持たない日本」を理想とするならば、今回の南北をめぐる情勢で「蚊帳の外」であることは、むしろ受け入れるべきだと思う。だから、ちょっと離れて情勢を注視している、いまの日本政府の態度は正しいのかもよ。

 まあ、現実問題として、「日本は軍隊を持っていないからこそ、蚊帳の外にされている」という側面はあると思うね。結局のところ、北朝鮮もアメリカにはビビっているけど、日本にはそこまでビビっていない。北朝鮮が考えているのは、日本に攻撃されないようにすることではなく、日本からいかにしてお金を引っ張ってくるかということ。完全になめられている。これは本当に日本人としては悲しいことだ。日本政府も、さぞかしもどかしいだろうね。

──文在寅大統領は南北首脳会談で、北朝鮮による日本人拉致について問題提起をしたとのことです。安倍首相は文在寅大統領との電話会談でその報告を受け、感謝を伝えたそうです。

高須:拉致問題については、絶対に解決してもらわないといけない。ここは絶対に譲れない。でも、北朝鮮としては日本に対して拉致問題解決と引き換えに、巨額の経済支援を狙っていることは自明だからね。単なる金づるにされないように、気をつけないといけない。

 拉致問題において日本は完全な被害者であり、本来なら交換条件など出す必要もなく、無条件で被害者の身柄を引き渡すように請求できるはず。でも、それが難しい現状があるわけだ。だから、日本は泣く泣く経済支援をして、拉致被害者の問題を解決しなくてはいけない。日本は全く悪くないのに、どうしてお金をあげなきゃいけないんだ! そう思うのが当然だよ。

 にも関わらず、「南北の融和ムードがある中で、日本だけが拉致問題解決を強く要求するのは空気が読めていない」みたいな風潮は明らかに間違っている。「平和に向けて歩みだした北朝鮮に水を差すな!」みたいな声があるというのだから、本当に信じられないよ。

 今回の会談で、金正恩を評価する人もいるみたいだけど、ちょっと理解できないね。これまで散々悪事を働いてきたのに、ちょっと歩み寄っただけで「ノーベル平和賞」だなんて言い始める人までいる。そういう意見には、怖さすら感じる。それこそ歴史修正主義なんじゃないかと思う。金正恩を評価するなら、ずっと正しいことをしている日本政府こそ、しっかり評価すべきだよ。

──南北首脳会談では、非核化を目指すことで合意していますが、具体的にどうやって進めていくかという点は示されていません。それは拉致問題も同様です。

高須:もちろん、このまま平和に向けて一気に進んでくれることを願うばかりだけど、まだまだぼんやりとした宣言でしかないから、現実的には「注視する」という段階でいいと思う。トランプ大統領がちょっと浮かれ気味なのが気になるけどね(笑い)。

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 南北首脳会談によって朝鮮半島の完全な非核化がもたらされることを期待しつつも、予断は許さないと考える高須院長。日本政府としても、最大の外交成果を得るため、状況をしっかり把握する必要があるだろう。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子氏との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)、『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)など。最新刊は『炎上上等』(扶桑社新書)、『かっちゃんねる Yes! 高須 降臨!』(悟空出版)。