2021年までには、高射幸性パチスロは100%撤去となる 写真/てぃらいみ / PIXTA(ピクスタ)

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 全日本遊技事業協同組合連合会(以下、全日遊連)は、4月24日に開催された全国理事会において、今後3年間かけ、パチンコ店に設置されている高射幸性パチスロ機を全台撤去していくことを決議した。

「アナザーゴッドハーデス」や「GOD-神々の凱旋-」、「バジリスク絆」や「魔法少女まどか☆マギカA」、「パチスロ北斗の拳 転生の章」や「押忍!サラリーマン番長」等の、現在のパチンコ店の営業を支えている屋台骨とも言える主力機が、高射幸性パチスロ機として撤去の対象となる。

 理事会では該当する高射幸性パチスロ機を、2019年1月末までにパチスロ設置台数の15%以下、2020年の1月末までに同5%以下、2021年の1月末までには全台撤去(0%)を目標数値とし、段階的に減らしていく事を決議した。

 全日遊連の試算によれば、本年3月6日時点での、全国の高射幸性パチスロ機の台数は30万8912台で、パチスロ機総設置台数の19.92%を占めている。

 高射幸性パチスロ機の早期撤去を求めるこの取り組みは、政府のギャンブル等依存症対策基本法の審議に足並みを揃える形で行われていた。

 全日遊連では、「新基準に該当しない回胴式遊技機」(=旧基準パチスロ機)の設置比率を、平成28年12月1日までに50%、平成29年12月1日までに30%を目標値とし、概ね達成をしてきた。今回の、高射幸性パチスロ機の段階的撤去は、全日遊連の継続的な取組み目標となる。

 平成30年2月1日に遊技機規則が改正された以降、パチンコ店への遊技機設置を許可する検定期間もしくは認定期間(最大3年間)の満了を迎えた遊技機は、みなし機としての設置が出来ず、必ず撤去しなくてはならない。

 よって、2021年1月には、自動的に高射幸性パチスロ機全台が撤去されることになるのだが、今回の取り決めは、ギャンブル依存問題に憂慮する行政や世論を意識し、より確実に、より早い段階での撤去を進める事になる。

◆「取組を逃れるための増台行為」が横行する!?

 全日遊連の今回の決議において注目すべきは、段階的撤去目標の設定のほか、それに関する「留意事項」であろう。全日遊連は、以下の文言を「留意事項」としている。

(留意事項)
 々蘯郵性回胴式遊技機の設置可能台数を増やすため、お客様が遊技をすることを想定していないような遊技機を設置して総設置台数を増やす、「取組を逃れるための増台行為」を行わないこと。
◆々蘯郵性回胴式遊技機の設置比率については、目標値の範囲内で一時的に増減することはあっても、高射幸性回胴式遊技機の早期削減に向け、一貫して「減少傾向」となるよう努めること。

 全日遊連が特に神経を尖らせているのは、,量簑蠅任△襦

 簡単に説明すれば、仮に設置目標を15%として、或るパチンコ店にパチスロ機が100台設置されていた場合、高射幸性パチスロ機は最大15台までしか設置出来ない。

 しかし総設置台数を150台にすれば、高射幸性パチスロ機を22台も設置することが出来る。しかし、そもそもパチンコ店には、ぎっしりと遊技機が設置されていて、50台も新たに設置することは出来ない(出来るなら始めから設置している)。

 しかしそこで、あるホールは、壁面に無理矢理パチスロ機を設置してしまう。元々は客が通る通路なので、椅子の設置は出来ない。いわゆる「立ちスロ」である。

 メダル貸出しユニットも、スペースがムダになるため台の間には置かない。仮に遊技客が「立ちスロ」で遊技をしたいのであれば、20年以上前は当たり前であったが、カウンターや島端のメダル貸出機でメダルを借り遊技をする。強引な遊技機の設置であるが、こういう形であれば、総設置台数を増やす事が可能だ。

 遊技客もバカではない。そのような形で設置されたパチスロ機で遊技する客はほぼいない。しかし店側は、仮に「立ちスロ」が1円の売上すら上げなくても、高収益の高射幸性パチスロ機を1台でも多く設置出来たほうが良いと判断する。

 この様な事案は、高射幸性パチスロ機を早期に撤去しようとする業界側の思惑に反するものであるが、しかし違法ではない。

 更に悪質な場合は、大当たりカウンター等の周辺機器は勿論、データ配線すら繋がない場合もあるという。

 全日遊連の「留意事項」には、「お客様が遊技をすることを想定していないような」という文言が、果たしてどこまでの行為を指しているのかは定かではないが、強引に設置された「立ちスロ」がある店舗や、遊技が出来ないパチスロ機が設置されている店舗については、業界の厳しい視線が向けられると同時に、遊技客からもそっぽを向かれ始めるだろう。

<文・HBO編集部>