買い物でも日常生活年齢が分かる

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 体重計に乗れば体脂肪率や筋肉量などから判断される「体内年齢」が表示され、脳トレの結果を見れば「脳年齢」が診断される……。年齢に関する指標は数あれど、いま一つピンと来ないのは、生活に直結していないからだ。もし、普段行なっている動作や日常生活の行動から“本当の年齢”がわかるとしたら―─。これを「日常生活年齢」という。

 体と同様、脳も衰える。「最近、物忘れがひどくなった」「人の顔を覚えられない」といった自覚症状がある人もいる。脳が歳を取ることで、できることは変化する。そうしたことから判断すると、人はいったい何歳だといえるのか。

●スーパーで釣り銭の小銭を減らす支払い方ができない人は60歳以上

 人間の知能には「結晶性知能」と「流動性知能」の2つがある。結晶性知能は、長年の経験や学習から獲得される知能で、言語能力、理解力、洞察力などが含まれ、歳を経てもあまり劣化しない。

 一方、流動性知能は、環境に適応するために新たな情報を処理する能力で、計算能力や直感力、法則を発見する能力などが含まれるが、20歳前後をピークに下降線を描き続けるといわれている。

 加齢による流動性知能の衰えがどのような症状として現われるのか。脳科学者の塩田久嗣氏はこういう。

「流動性知能が衰えるメカニズムは科学的に解明されていませんが、脳の記憶や空間学習能力に関係する海馬が加齢で萎縮するのは事実です。認知症にならなくとも、30歳頃をピークに海馬は少しずつ萎縮していきます。

 どういう形で現われるかというと、たとえばスーパーで買い物をして、釣り銭がいくらになるかパッとわからない。釣り銭の小銭を減らす支払い方を思いつかない人の脳の年齢は、60〜70歳以上だといえます」

 3桁の計算が瞬時にできなくなった人は要注意だ。

※週刊ポスト2018年5月4・11日号