投打で印象的な活躍を続けるエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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米史上ノーヒッターとサイクル安打を達成した選手は不在

 メジャーデビュー以来、二刀流スターとして活躍し続けるエンゼルス大谷翔平選手。27日(日本時間28日)本拠地ヤンキース戦で左足首を軽く捻挫したが、それまで投手としては4試合に先発して2勝1敗で防御率4.43、打者としては12試合で4本塁打12打点、打率.341と好調だった。長い歴史を誇るメジャーでも、本格派二刀流の登場はベーブ・ルース以来およそ1世紀ぶりの出来事。ファンにとってはその一挙手一投足が新鮮で、様々な可能性に想像が膨らむ。米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトでは特集記事を組み、投手・大谷がノーヒットノーランを達成するのと、打者・大谷がサイクルヒットを達成するのと、どちらの偉業を先に成し遂げるか大予想を展開した。

 投手にとってノーヒットノーラン、打者にとってサイクルヒットといえば、一度は達成してみたい夢の記録だ。二刀流を続ける大谷は、2つの夢を実現させる可能性を持っている。メジャーの歴史を振り返ってみても、サイクルヒットを達成した投手は不在。つまり、2つの偉業を達成した人物は誰もいない。記事によれば、投手が登板した試合で、単打、二塁打、本塁打を記録した“サイクル王手”は44度あり、直近では2009年にランディ・ウルフがサイクル達成に1歩及ばなかったという。

 特集では数々のデータを紹介している。ナ・リーグが誕生した1876年以降、ノーヒッター(9イニング以上)は297度、サイクル安打は319度達成されている。昨季は同一選手が1試合に単打、二塁打、本塁打を記録したのは280回で、サイクルヒット達成は7度あった。この数字からも三塁打が出づらい状況は伺えるが、2017年は1試合当たりに出た三塁打は0.16本と過去最少。フライボール革命と言われる本塁打増加と反比例している。

投手・大谷はノーヒッター達成の2投手に似た傾向

 2008年から昨季までの10年で、ノーヒッターは34回(継投ノーヒッターは除く)、サイクルは41回達成されている。だが、ノーヒッターに限れば2016年に1度、2017年に1度と“激減”。今季はすでにアスレチックスのマナイアが達成しているが、球数制限に伴い投手の早期降板などがノーヒッターが生まれにくい要因として上げられている。

 今季の大谷はすでに三塁打を記録。4本塁打を放っているパワーはもちろん、快足にも定評はあり、サイクル達成の可能性は十分に秘めている。だが、記事では投手・大谷が記録する被打率(.197)や奪三振率(11.5)などが、2015年以降に2度ノーヒッターを達成しているシャーザー(ナショナルズ)やアリエッタ(カブス)に似ていると指摘。4月8日(同9日)本拠地アスレチックス戦で7回1死までパーフェクト投球を披露したことにも触れながら、ノーヒットノーラン達成の方が早いだろうと予測した。特集の読者アンケートでも、66%がノーヒッターの方が先だと予想している。

 特集では、最後に「我々が望むのは、ドジャースタジアムでの交流戦で大谷がノーヒッター達成と同じ日にサイクルも成し遂げることだ」とファンが抱く“究極の夢”を代弁したが、もし実現すればまさにマンガの世界。ファンがこれまで思いを巡らせることのなかった夢を見させてくれるだけでも、大谷の二刀流挑戦は意味を持つのかもしれない。(Full-Count編集部)