恋がうまくいくかどうかは、出会った瞬間に大きく決まっているといっても過言ではない。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しないのだから。

どうしたら、最初のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回は、2対2で出会った際に、女性は男のどこを見ていたのか?という宿題を出していた。

あなたは、この宿題が解けただろうか?




俊明と弘人に出会ったのは、私が友人の沙奈と飲んでいる時だった。“出会いがある”と有名な、六本木『R2 SUPPERCLUB』である。

金曜夜に女二人でここに行くと、多少目立つタイプの女性ならば必ず視線を集めるだろう。

そんな視線に慣れている私は、最初からあまり乗り気ではなかった。

「この時間に女二人で行くと、完全にナンパ待ちと思われそうで嫌だなぁ…」

そういった場へ行くと毎回声をかけられる私にとっては、面倒でしかない。しかし一方の沙奈は乗り気だった。

「せっかくなんだし、行こうよ!」

きっと、見た目から判断すると、私が沙奈を誘って連れてきたように見えるかもしれない。

というのも、自分で言うのもおかしいが、私は昔から皆の視線を集めがちで嫌が応にも目立ってきた。その一方で、少し控えめでおしとやかな見た目の沙奈。

しかしこのときは打って変わって、沙奈が積極的だったのだ。

「沙奈が行きたいならいいけれど...」

そう言って渋々出かけた矢先、早速声をかけてきた男性二人がいた。それが、俊明と弘人だ。

「こんばんは。二人ですか?」

爽やかな二人を見て、沙奈は“いいんじゃない?”と私に小声で呟いた。そんな沙奈に押され、結局4人で飲むことになったのだ。


声をかけてきた男二人。女性からの好感度の差がついてしまったNG行動とは?


解説1:2対2での席。”明らさま”な男は嫌われる


「ちなみに名前は?僕は俊明って言います。こっちは同僚の弘人です!」

声をかけてきた俊明と弘人は、対照的だった。

明るい俊明はよく話すお調子者で、弘人は静かに話を聞くタイプと言えるだろう。

「私はリナで、こっちは沙奈です。お二人は、どうしてここに?」

「会社が丸の内なんだけど、あっちは知り合いだらけだから。会社の人とかにも会いたくないしね」

「へぇ。じゃあ俊明さんは丸の内に勤めるエリートなんだ。こんな所で女性引っ掛けている場合じゃないですよ(笑)」

「そういうリナちゃんこそ。どうしてこんな美人が金曜の夜に女二人でいるの?世の中の男は見る目がないね〜」

自然と、俊明と私、弘人と沙奈というふた組に会話が別れ始めていた。

弘人たちは静かに話しているが、俊明は酔いが回ってきたのか、饒舌になって一人で話している。

「リナちゃん可愛いから、彼氏何人もいそうだよね」

-初対面の人に、なんでこんなこと言われないといけないんだろう...。

よく知らない人に、こんなことを言われる筋合いもなければ、決めつけられる意味もわからない。

かと思ったら今度は、スタイルが良いだのネイルが可愛いだの褒め殺し。私は、俊明の“女性に対して言う決まり文句”のようなものにも、段々嫌気が差してきた。

そして一番気になったのは、さっきから私の方ばかりに話しかけていることだ。

せっかく4人で飲んでいるのに、沙奈には見向きもせず、これではまるで無視しているようなもの。

-私の友達なんだから、沙奈にももっと話しかけるべきでは?

そう思い、俊明にさりげなく4人でできるような会話を促してみる。しかし俊明はやっぱり皆で話そうとせず、私の方ばかりを向いていた。

そんな時に俊明は、“この人はちょっと...”と女性が呆れてしまうことをしてきたのだ。

「俺さ、手相見られるんだよね」

その時点で、私の中で“終了”の合図が鳴った。




食事会の席でも、結構な頻度で“手相おじさん”は現れる。

さらには手の大きさ比較を口実に手に触れてこようとする男性も、少なからずある一定数の割合でいる。

女性からすると、そういったベタな手口をされると少し引いてしまう。

それに、初対面で誰にでも触れられたいわけがない。回りくどい上にカッコ良くもない手法で手を合わせようとされるとますます引いてしまうのだ。

「さっきから気になっていたんだけど、リナちゃんって手小さくない!?ほら、僕の方が第一関節分大きいもん」

そう言って、自分の手と私の手を重ねあわせる俊明。

-こういうタイプが一番面倒なのよね...。

そう思いながらも顔には出さず、笑顔で俊明の相手をし続けたのだった。


リナが弘人だけにLINEを送った理由とは…?




「せっかくだから、LINE交換しようよ!」

俊明の提案で、お決まりの連絡先交換タイムになった。

「今度、ご飯行かない?」

俊明はすっかり上機嫌だが、またしても私の方だけに向いて話している。もちろん、返事は決まっていた。

「いいですよ。そしたら、またこのメンバーで行きませんか?せっかくだったらみんなの方が楽しいし。沙奈もいいよね??」

私は、沙奈の方を向いた。彼女は、私の大事な友達である。邪険に扱わないでほしい。

「もちろん。またみんなで飲みましょう」

女同士で、意見は合致していた。本当に気になる男性だったら、皆の前で“みんなで”なんて強調しない。

様子を見たいし、いきなり二人は嫌である。何よりも、俊明がすごくタイプで大好きな人だったら良いけれど、皆でいる場なのに、輪を乱すような人はお断りだ。

「ありがとうございました」

そう笑顔でタクシーに乗り込んだ途端に、女たちの赤裸々トークタイムが始まった。


解説2:初対面ではしゃぎ過ぎる男は完全アウト。弘人は、つないでおいて損はない


「いや〜俊明さんは本当に無いね。連絡もしなくていいよね?」
「しなくていいでしょ。ちなみに、弘人さんはどう思う?」
「…うーん」

私は弘人とほとんど会話をしていなかったし、なんとも言えない、というのが正直な感想だ。

しかしガツガツしているうえに余計な一言が多い俊明に比べたら、一歩引いて見守っていた弘人に対して決して嫌悪感はなかった。

一言で言えば、「害は無さそう」といったところだろうか。

「沙奈、弘人さんつないでおけば?悪い人ではなさそうだし」

「うーん。でも二人きりで会うのはないかなあ…。でも俊明さん以外で、弘人さんの周りにいい人いるかも?」

「そしたらさ、弘人さんに食事会開いてもらうようにお願いしてみようか?」

そうして、翌朝私は弘人にLINEを送ったのだ。

-六本木界隈で飲まれることがあれば、是非また一緒に飲みたいです^^近々空いているお日にちありますか?

初対面で、人の印象の8割は決まる。

一発逆転もありえるけれど、最初からNGが出ると、デートはもっての外、LINEすらままならず、その後の発展は絶望的である 。

せっかくの出会い、スマートに振舞って次につなげた者が勝つ。

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