アップル、AirMac製品の製造終了。ハードとソフトのサポートは今後も継続


アップルがAirPort(日本では商標の都合からAirMac)シリーズの製造を終了することが明らかとなりました。デバイスの販売は「在庫がなくなるまで」続くとのこと。

販売が終了するのはWi-Fiルータの「AirMac Extreme」、「AirMac Express」と、ワイヤレスのバックアップ装置「AirMac Time Capsule」の3製品。ハードウェアおよびバグや脆弱性のパッチ適用といったソフトウェアのサポートは提供し続ける(公式サイトによれば今後5年)とされています。

アップルは2013年以降はWi-Fiの新製品を出していません。さらに2016年11月には「Wi-Fi製品の製造を終了する」とのBloombergなどの報道があり、今回のニュースに特に意外性はありません。

1999年に初登場した当時、AirportはLANケーブルが不要で、無線でネットに接続できるというだけで、十分に「革新的な」製品でした。発表イベントでスティーブ・ジョブズがiBook(MacBook以前のノートPC)を持ち運びながらウェブサーフィンするだけで観衆が拍手喝采している映像からも、その最先端ぶりが振り返られます。

最先端が成功した先に待つのは、あまねく普及して「当たり前」になっている世界。Wi-Fi機能はPCどころかスピーカーから電球まで備えており、Wi-Fiルータも他社製品が巷にあふれ、AirMacの価格競争力もすでになくなっています。Macのバックアップ機能についても、大容量のサードパーティ製品という形で選択肢が豊富にあります

アップルの担当者は「有意義な貢献ができるなら、Wi-Fiルータ事業に戻ることもありうる」とコメント。ただし再参入が確約されたわけではありません。

その一方でGoogleは、家庭用Wi-Fiルータ「Google Wi-Fi」日本版を投入。2016年11月に米国で登場して以来、安定したWi-Fi接続やスマートフォンからの快適操作、複数を連携して使う「メッシュWi-Fi技術」などが好評を呼んでいます。

Google Wi-Fiも1台が1万5000円、3台パックが3万9000円とお高めの価格ながら、高い付加価値により存在感を示しています。なにより、ちょっと可愛いデザインが家族の目にもやさしいありがたさ。アップルも得意とする洗練されたデザインを引っさげて、Wi-Fiルータ再参入が望まれるのかもしれません。