現在36歳のイブラ。W杯はラストチャンスとなる可能性が高いだけに、今回の発表を寂しく感じるファンも多いだろう。(C) Getty Images

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 スーパーレジェンドのワールドカップ帰還は夢と消えた。

 現地時間4月26日、スウェーデン・サッカー連盟は、2年前のEURO2016で代表引退を表明したズラタン・イブラヒモビッチを今夏のロシア・ワールドカップを戦うA代表メンバーに含めないことを発表した。

 昨年11月にイタリアとの欧州予選プレーオフを制し、3大会ぶりの本大会行きを勝ち取ったスウェーデン代表。以降、熱を帯びていたのがイブラヒモビッチの“代表復帰待望論”で、国内外を問わず大きな関心事に発展していた。

 当の本人もその論争を煽るかのような発言を続け、今月15日には自身のSNSで「俺がワールドカップでプレーする可能性はスカイハイ(非常に高い)だ」とつぶやき、さらに18日には、米メディア『ABC』のトーク番組「Jimmy Kimmel Live!」に出演した際、「俺がいなけりゃ、ワールドカップじゃないだろ?」と強気な言動を繰り返していた。

 その一方で、スウェーデン代表のヤンネ・アンデション監督は、「ズラタンが代表に戻ることを決めたのなら、彼のほうからまず私に連絡があって然るべきだ。すべての報道は憶測にすぎない」と、イブラの代表復帰報道に対して懐疑的な見解を示していた。
 

 一連の騒動に終止符を打ったのは、ほかならぬスウェーデン連盟だった。26日に代表のチーフマネジャーであるラーシュ・リヒト氏が次のような声明を発表したのだ。

「ズラタンはワールドカップに出場しない。私は今週の火曜日に彼と話して確認したところ、その場で代表チームに復帰する意思はない、その考えを変えていないと語ってくれた。つまり彼の復帰は“ノー”ということだ。よって5月15日に発表されるスウェーデン代表のメンバーには含まれない」

 2001年から16年まで足かけ15年に渡って代表のユニホームに袖を通し、通算116試合に出場、歴代最多の62得点を記録したイブラ。そんな“生ける伝説”も36歳になった。ワールドカップ出場は事実上のラストチャンスで、もう一度檜舞台での雄姿を観たかったファンは少なくないだろう。

 はたして偉大な先達を抜きにして、スウェーデンはどこまで勝ち進めるのか。大きな注目を集めそうだ。