GKヴァルケが触れないような好クロスをパイエが入れ、これをトバン(26番)が頭で合わせてマルセイユが先制。幸先良くリードを奪い、そこから主導権を握って試合を進めた。 (C) Getty Images

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 4月26日(現地時間)、ヨーロッパリーグ(EL)準決勝の第2レグが行なわれ、マルセイユは2-0でレッドブル・ザルツブルクを下した。
 
 満員となったヴェロドロームでの一戦は日本人対決としても注目を集めていたが、マルセイユの酒井宏樹は23日のリール戦で左膝に全治3週間の怪我を負って欠場、ザルツブルクの南野拓実はベンチスタートとなった。
 24日に亡くなったアンリ・ミシェル元フランス代表監督(その他アフリカ諸国の代表監督を歴任)に黙祷を捧げた後に始まった試合、立ち上がりは両チームともに激しいプレッシャーをかけ合い、決定的なプレーを相手に許さない。
 
 しかし、徐々にホームチームがポゼッションで上回り、個人の突破から好位置でFKを獲得して立て続けにチャンスを迎える。そして14分、ペナルティーエリア右外でのFKで、パイエがファーサイドに入れたボールをトバンが頭で合わせてゴールネットを揺らした。
 
 ヘディングシュートは彼の手にも当たったように見えたが、ゴールは認められ、幸先良く先制したマルセイユはその後、完全に主導権を握る。守備で相手に強い圧力をかけてボールを奪うと、そこからスピーディーなパスワークで再三、敵陣深くまで侵入していった。
 
 持ち前の縦に速いサッカーを封じられたザルツブルクは、それでも20分過ぎからポゼッションを高め、26分にダブールが粘って得たCKからチェレタ・ツァルが頭でチームのファーストシュート。29分にもライナーが右から切れ込んでミドルを放ったが、その後は再びマルセイユの勢いの前に防戦に追い込まれた。
 
 ホームチームのリードで迎えた後半、序盤はザルツブルクが敵陣でボールを保持する時間が長くなり、再三のサイドの攻略から好機を迎える。52分にはヴォルフが決定的なシュートを放ったが、GKプレの懸命に手を伸ばしてのセーブに阻まれた。
 
 マルセイユはオカンポスが負傷退場(ヌジエと交代)というアクシデントに見舞われたが、それでもすぐに攻撃のギアを上げて攻勢に。62分には、パイエが左サイドからボールを運んでマイナスのグラウンダーパスを送り、ヌジエがこれをゴール右隅に流し込んで追加点をチームにもたらした。
 
 理想的なかたちでリードを広げたホームチーム。しかし、その後は再び守勢となり、64分にベリシャの強烈なミドルを浴びた他、サマセク、ダブールにもきわどいシュートを許す。76分にはウルマーの右からのクロスをグルブランドセンにダイレクトで合わせられたが、ここではポストに救われた。
 
 78分にもエリア内でウルマーに抜け出されそうになったが、プレが果敢な飛び出しでセーブ。マルセイユは危険な場面は何度か迎えたものの、守備陣が要所をしっかり締めて得点を与えず、狙い通りにクリーンシートを達成して先勝を飾った。
 
 一方、ザルツブルクはアウェーゴールをひとつでも奪ってホームに帰りたいところだったが、最後までゴールネットは揺らせずじまい。攻撃の切り札となり得る南野拓実に、出番は訪れなかった。
 
 運命のリターンマッチは1週間後の5月3日に行なわれる。