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「誰かが殺した」根拠は、人の運動エネルギー実験結果
2005年10月29日09時22分 / 提供:PJ
【PJ 2005年10月29日】−
今年4月、かねてから記者が起こしていた神戸地方裁判所への国家賠償請求事件「父(渡辺省三)の死は、自殺ではなく他殺。警察と検察はずさんな捜査で自殺と速断し、適正な捜査を怠った」として、国と県を相手に総額1000万円の損害賠償を求めて起こしていた民事訴訟についての判決結果が棄却された。記者はその判決理由と結果に不服であるため今年5月11日、神戸地方裁判所の判決結果は、全部不服であるとして、大阪高等裁判所に控訴を提起した。その件で27日、2回目の口頭弁論が、大阪高裁にて開廷された。
この口頭弁論では、第一審の判決は徹頭徹尾誤りの判決であるとして、本件における父の落下位置の不自然さについて、地動説を唱えて明確に示した。記者が落下位置(着地位置)の不自然さを根拠に、父は自殺ではないと主張続けている理由は、人間の落下実験で、遠方着地は不可能であるとの実験結果を根拠としているものである。だが、第一審における裁判所の判断では、高さが相違する実験結果は、同列に扱うことはできないという理由から、記者の実験結果は、他殺を立証する証拠として採用されなかった。第二審においては、高さの違う実験結果を、裁判官が他殺を立証する証拠として採用してくださるかどうか、注目したい点だ。
着地位置に関する裁判所の判断(第一審)
証拠によれば、亡省三は頭部を入江ビルに向けて倒れており、入江ビルから頭部までの距離は約6.7メートルであることが認められる。また、証拠によれば、入江ビルの屋上には、ビルの西端から約1.3メートル内側に高さ約1.1メートルの鉄柵が設置されており、同鉄柵とビル西端との間に高さ約58センチメートルの出張り部分があることが認められる。原告である記者は、亡省三の遺体の位置が入江ビルから異常に離れており、入江ビル屋上の状況からして助走をつけて飛び降りることも考えられないから、亡省三は自ら飛び降りたのではなく、何者かによって投げ飛ばされたものであると主張する。
しかしながら、証拠によれば、亡省三は身長176センチメートル、体重が64キログラムであり、体格も良く、一人では到底投げ飛ばすことなどはできないものと思われる。また、ビルの端と鉄柵との間が約1.3メートルしかなく、高さ約58センチメートルの出張り部分があることからすれば、複数の人間が亡省三をかついで投げ飛ばすことも極めて困難と考えられる。しかも、証拠によれば、屋上において争った形跡は認められない。このような現場の客観的状況からすれば、記者の上記主張を採用することは著しく困難であると言わなければならない。
なお、記者は、落下実験等からして、自殺としては、6.7メートルは届かないとも主張するが、同証拠では高さ15.70メートルからの落下実験であるところ、入江ビルの高さは約39メートルであって、同証拠における実験結果と本件事案とを同列に扱うことはできないというべきである。
実験は、高さの違う状況下で行われているため、同列に扱うことはできない?
2000年9月、記者は、神戸大学発達科学部の柳田泰義教授に、「人の運動エネルギーについての分析」を依頼した。同年12月26日、柳田教授による「転落についての理論的、実験的考察」「転落状態に関する実験と検証」を、神戸検察審査会に提出した。
実験結果によると、人の最高水平距離は、8.5メートル、20歳代男子の最高水平到達距離は、8.75メートル、65歳代男子最高水平到達距離に換算して、4.25メートルから5.95メートル。
以上の実験結果から、父の足先8.6メートルの着地点は、運動力学をはるかに超える数値であることがわかった。つまり、飛距離8.6メートルの地点への着地は、自力パワーではあり得ないとの結論だった。この実験結果について、第一審における神戸地裁の判決は、高さが違う状況下における実験結果は、本件事案と同列に扱うことができないとの判定であった。
(注)国と県の被告側は、落下位置についての記述を頭部6.7メートルと統一されている。記者ら原告側は、落下位置についての記述を、足先部8.63メートルと統一している。父の身長が、1.75メートルであったため、被告は、頭部の位置を主張し、原告は、足先部の位置を主張している。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 新納 直子【 兵庫県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
この口頭弁論では、第一審の判決は徹頭徹尾誤りの判決であるとして、本件における父の落下位置の不自然さについて、地動説を唱えて明確に示した。記者が落下位置(着地位置)の不自然さを根拠に、父は自殺ではないと主張続けている理由は、人間の落下実験で、遠方着地は不可能であるとの実験結果を根拠としているものである。だが、第一審における裁判所の判断では、高さが相違する実験結果は、同列に扱うことはできないという理由から、記者の実験結果は、他殺を立証する証拠として採用されなかった。第二審においては、高さの違う実験結果を、裁判官が他殺を立証する証拠として採用してくださるかどうか、注目したい点だ。
着地位置に関する裁判所の判断(第一審)
証拠によれば、亡省三は頭部を入江ビルに向けて倒れており、入江ビルから頭部までの距離は約6.7メートルであることが認められる。また、証拠によれば、入江ビルの屋上には、ビルの西端から約1.3メートル内側に高さ約1.1メートルの鉄柵が設置されており、同鉄柵とビル西端との間に高さ約58センチメートルの出張り部分があることが認められる。原告である記者は、亡省三の遺体の位置が入江ビルから異常に離れており、入江ビル屋上の状況からして助走をつけて飛び降りることも考えられないから、亡省三は自ら飛び降りたのではなく、何者かによって投げ飛ばされたものであると主張する。
しかしながら、証拠によれば、亡省三は身長176センチメートル、体重が64キログラムであり、体格も良く、一人では到底投げ飛ばすことなどはできないものと思われる。また、ビルの端と鉄柵との間が約1.3メートルしかなく、高さ約58センチメートルの出張り部分があることからすれば、複数の人間が亡省三をかついで投げ飛ばすことも極めて困難と考えられる。しかも、証拠によれば、屋上において争った形跡は認められない。このような現場の客観的状況からすれば、記者の上記主張を採用することは著しく困難であると言わなければならない。
なお、記者は、落下実験等からして、自殺としては、6.7メートルは届かないとも主張するが、同証拠では高さ15.70メートルからの落下実験であるところ、入江ビルの高さは約39メートルであって、同証拠における実験結果と本件事案とを同列に扱うことはできないというべきである。
実験は、高さの違う状況下で行われているため、同列に扱うことはできない?
2000年9月、記者は、神戸大学発達科学部の柳田泰義教授に、「人の運動エネルギーについての分析」を依頼した。同年12月26日、柳田教授による「転落についての理論的、実験的考察」「転落状態に関する実験と検証」を、神戸検察審査会に提出した。
実験結果によると、人の最高水平距離は、8.5メートル、20歳代男子の最高水平到達距離は、8.75メートル、65歳代男子最高水平到達距離に換算して、4.25メートルから5.95メートル。
以上の実験結果から、父の足先8.6メートルの着地点は、運動力学をはるかに超える数値であることがわかった。つまり、飛距離8.6メートルの地点への着地は、自力パワーではあり得ないとの結論だった。この実験結果について、第一審における神戸地裁の判決は、高さが違う状況下における実験結果は、本件事案と同列に扱うことができないとの判定であった。
(注)国と県の被告側は、落下位置についての記述を頭部6.7メートルと統一されている。記者ら原告側は、落下位置についての記述を、足先部8.63メートルと統一している。父の身長が、1.75メートルであったため、被告は、頭部の位置を主張し、原告は、足先部の位置を主張している。【了】
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