果敢に仕掛けて攻撃の起点を作った倉田(10番)の奮闘も虚しく、G大阪は敵地で敗戦を喫した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ10節]湘南 1-0 G大阪/4月25日/BMWス

 敵地に乗り込んだG大阪は、スコア以上の差を見せつけられて敗れた。

 シュート数は3対16。C大阪と激闘を演じ勝利した前節の「大阪ダービー」から中3日、移動を含めた疲労の蓄積もあったのか、選手たちの動きはとにかく重かった。

 後方からパスをつないでも、出し手と受け手の呼吸が噛み合わずミスを連発。チームトップの6得点を稼ぐファン・ウィジョにボールを集めようとする狙いも読まれて、前半はシュートわずか1本に抑えられた。

 一方、守備の局面でも後手を踏んだ。前線から圧力をかけてきた湘南の術中にハマり、16分に先制を許すとその後も立て続けにピンチを招いた。

 後半は幾らか持ち直したとはいえ、チャンスらしい形をなかなか作らせてもらえないまま終戦。ハーフタイム、試合終了後ともに、アウェーのスタンドからブーイングが鳴り響いた光景は、不甲斐なさを露呈した証だろう。
 チームが上手く機能していなかったのは、ピッチ上の選手たちの声からも明らかだった。
「前の選手もやりづらそうだったし、中盤で前を向かれることが多くて、前半は相手の2トップを俺とゲンタ(三浦)で2枚と2枚で見ている感じでリスクがある感じがしましたし、かといって攻撃も上手くいかなかったので難しかった」(菅沼)

 攻撃では連動性を欠き、守備では後手を踏む。そうしたチームの戦いぶりに対して、倉田の口からも厳しい指摘が飛んだ。とりわけ、単調な出来に終始した攻撃面に関しては、「もう少し工夫が必要だった」と、悔恨の念を隠さない。

 さらに、前節の大阪ダービーに比べると「サッカーの質が全然違った」と振り返り、メンタル面に関しては、「全員が前くらいの気持ちを持ってやろうとしたけれどできていないのが現実なので、もっと今の置かれている状況に危機感を持ってやらないと。それは自分自身も」との見解を示した。

 いまだ苦境から脱し切れないクルピ・ガンバ。「大阪ダービー」で掴んだ手応えをより確かなものにするはずだった一戦で敗れた事実は、果たして次戦以降にどう影響するだろうか。

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取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)