アジアンツアーとの共同主管で行われた「パナソニックオープン」は、最終日に9061人の大ギャラリーを集めた。石川遼効果だけではない、国内男子ツアーの再隆盛を感じさせるものだった。
【写真】大ギャラリーを集めたパナソニックオープン
会場の茨木カンツリー倶楽部は大阪中心部からのアクセスもよく、早朝から大勢のギャラリーでコースが埋まった。人気選手はもちろん、無名のアジアンツアー選手といったら失礼だが、そんな選手たちにも惜しみない拍手と応援を送った関西のギャラリーの熱気は、アジアンツアーの選手にも十分に伝わったのではないか。
優勝はインドの苦労人、ラヒル・ガンジー。アジアンツアーでの勝利は初優勝した2004年以来、実に14年ぶり。165センチと小柄ながら、高校時代は100メートルを11.2秒で走り、水泳で体幹を鍛えたというスポーツ万能な39歳。見た目の陽気さとは裏腹に、完全なアスリートのガンジーは、勝つべくして勝ったといってもよかった。曲がらないドライバー、「本当は1番自信がある」と話していたバンカーショット。アジア各地の荒れたコースコンディションにも負けないタフさ。総合力は間違いなく高かった。
「主戦場は日本にする。怖いのは8000ヤードあるというミズノオープン(笑)」と、陽気に冗談を交えながら話してくれたガンジー。ラウンド中も実に楽しそうに回っていた。「日本でプレーするのが目標だった」というほど、恋い焦がれた日本ツアーのメンバー登録も即日済ませた。すでに「ジンジャーハイボールも飲んだけどちょっと甘かった。もっといろんなものと出会えるのが楽しみ」と、今季残りの日本ツアーでの戦いに胸を躍らせている。
そんなガンジーの優勝は驚きともいえるが、裏を返せば、それだけアジアンツアーには強い選手がゴロゴロいるということだ。2月に行われた欧州との共催試合「メイバンク選手権」で優勝したインドのシュバンカー・シャルマもそんな1人。今大会には出場していないが、今では世界でも有名な存在となり、「マスターズ」にも特別招待で出場した。毎年スターが生まれているのがアジアンツアーの強みだ。
ニュースターがアジアから生まれるのは最近に始まったことではない。欧州ツアーとの共催も多く、欧米への足がかりになるからと、目の色を変えて世界中で戦っている。道具にも彼らの熱さを感じることができる。いわゆるプロモデルのキャディバッグではなく、スタンドバッグ(学生がよく使っている、自分でも担ぐことができる簡易バッグ)で転戦する選手も少なくない。「このほうが移動が楽だし、クラブがあればプレーできる」と話す米国出身の選手もいた。クラブだって、ボロボロのものを使っている選手もいるほど。要は、稼ぐためには手段を選ばないのだ。
ガンジーが日本を目指したのは、「賞金が高いから」という理由もある。さらには、コースのコンディションがいいというのは、多くの選手が話すこと。そんな恵まれた状況でプレーし、より稼げるチャンスがあるのなら、日本進出も何ら不思議ではない。タイやインドの選手が予選会(QT)に多く参戦しているのも当然のことだ。
今季の日亜共同主管大会は、「SMBCシンガポールオープン」、「レオパレス21ミャンマーオープン」、「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」、そして本大会の4試合。青木功JGTO会長は、「来年からもっとアジアとの試合が増える可能性もある」と以前に話していたが、実際はどうなのか。今回来日していたアジアンツアーCEOのジョシュ・バラック氏も、今回の来日では精力的に動いていた。「大切なカウンターパートであるJGTOと日本企業にも、もっと働きかけをして試合数を増やしたい」と明言。日本国内のツアー日程で空いている2月、3月の共同主管大会をアジア開催で目指している上に、日本での試合も画策している様子だ。
小平智が米国男子ツアーで優勝を遂げたことで、世界への道が確実に開いていると感じた若手は多いはず。欧州ツアーに挑戦している谷原秀人、宮里優作、片岡大育らの活躍も、日本人選手の海外進出に拍車をかけている。アジアンツアーとの試合が増えれば、さらにその道は開かれるのと同時に、日本のレベルアップにもつながる。そしてなにより、今回のガンジーのように、キャラの立った選手が流入することも、男子ツアーの活性化に寄与するはずだ。(文・高桑均)
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