text by Sportiva
山本雷太●撮影 photo by Yamamoto Raita
八戸亜希子●ヘア&メイク hair&make-up by Hachinohe Akiko
松尾由美●スタイリング styling by Matsuo Yumi
衣装協力/ニューバランス

体と対話するエクササイズ(8)シュートボクシング編

 2016年から1年を通してランニングを練習し、昨年の1月にマウイ島でハーフマラソンを完走した馬場ふみかさんが、新たに様々なスポーツや、エクササイズを体験していくシリーズ連載。今回挑戦しているシュートボクシングでは、前回の入念なストレッチを経て、いよいよ、パンチとキックの基本姿勢を教えてもらう。どこまで強くなれるのか?



 体が温まってほぐれたところで、まずは基本の”構え”をシーザージム渋谷所属のシュートボクサーであり、トレーナーも務める大桑宏章さんに教えてもらった。

「右利きの人は左足を前に出します。左足は12時、右足は3時の方向になるように意識して、膝は少し曲げます。こぶしは軽く握り、一度万歳して顔の横まで下ろしてきた位置で止め、肘を少し内側に絞って脇を締めて、あごを引き、少し背中を丸めます。これが基本の姿勢です」

 慣れない姿勢に少し戸惑いながらも「その場で足踏みをしていくとうちに、自然な形になってきますよ」とアドバイスをもらうと、馬場さんもそれらしくなってきた。



 その構えの姿勢から片足を上げて、相手のキックの攻撃を防ぐ”カット”もあわせて教えてもらった。

「じゃあ構えの姿勢のまま、左右交互に20回カットの足上げをしてみましょう。このときに気をつけるのは片足立ちでブレないことです。下っ腹のシェイプアップにはもってこいの動きですよ!」

 20回を終えると馬場さんが「これ、結構しんどいですね……(笑)」と呟いたが、まだ第一段階が終わったばかり。すぐにパンチの練習へと移る。



「腕はまっすぐ伸ばしていきながら、こぶしは内側に回します。足は前に出ている左足のかかとを浮かせて膝を少し前に出します。膝が内側に入り過ぎないように気をつけましょう。

 こぶしは、親指が飛び出さないように握って、最初はグッと力を入れずにパンチが当たるときだけグッと力を込めましょう。打つときに『シュッシュッ』と息を吐くと、体幹周りがギュッと締まって安定するんです」

 ワンツーでジャブ、ストレートを10回打って、水分補給の休憩へ。

 馬場さんにここまでの感想を聞いてみると、「いつも足が冷たいんですけど、ポカポカ温まってきました! 正直ちゃんとできているのか、これで合っているのかわからないです。ただ腹筋に効いてる感じはします!」

 それに対して「大丈夫です!腹筋に効いているのは正解ですよ。あとはキックも合わせてやっていくと、お尻と太もも裏に効いてきます。ヒップアップにもなるので、このまま正しい姿勢でやることが大事です」と大桑さん。



 もうひとつのパンチの種類、フックも大桑さんの指示通りにしっかりとこなしていく。

「フックは横に打つパンチですね。こぶしと肘の高さを同じにして、肘をしっかり張りましょう。体をひねって横に振ります。ストレートより打ちづらいですよね。しっかりと僕の手のひらを押し返すと、どこに力を入れるかわかってきませんか?」

「はい。体が安定してきた気がします!」

 大桑さんから「しっかりあごを引くと格闘技的にはいいんです。あごに相手のパンチが入ると効いちゃいますからね。肘をしっかり上げてあごの高さくらいで打てると、自分のあごを肩で守れます」とアドバイスをもらい、そこを意識しながら何度もフックを繰り返し打っていくと、肘の角度が定まって最初より力強いパンチになった。

 キックに入る前には、もう一度ケガ防止のために柔軟性を確認。「大丈夫!」の太鼓判をもらって、いざ挑戦!



「蹴り終わるまでは軸足のかかとは地面に着けません。背伸びをしながら回るんです。キックは、膝から出てきて、次に足先を出します。子供の頃に靴を飛ばしたことありますよね? そんなイメージです」(大桑さん)

「あります! 明日の天気を占うやつですよね」(馬場さん)

「そうです。キックのタイミングに合わせて右腕も振っていきましょう。反対の左腕は顔の横に残してしっかりガードします」(大桑さん)

 馬場さんは、つま先立ちで蹴る動作をしてもブレることなくしっかりと着地していたが、これも初心者には意外と難しいそうで、「体幹もバランス感覚も問題なしですね!」と、太鼓判をもらった。

 蹴る角度や着地点を確認して精度を高めたところで、いよいよグローブをはめてリングへ!

 ここまでは完璧にこなしてきたが、果たしてリングの上ではどうなってしまうのか!?

馬場ふみかさん
1995年6月21日生まれ。新潟県出身。
モデル+グラビアもこなす「モグラ」として注目を集め、女優としても舞台、ドラマと活躍の場を広げている。ファースト写真集となる『色っぽょ』(集英社)は大ヒット。ノンノ専属モデル。今年の7月には映画『劇場版コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』が公開される。スポルティーバの企画では、マウイ・オーシャンフロント・マラソンでハーフマラソンを完走。
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大桑宏章さん

中学から高校までは柔道を学び、大学は体育学部に進学し、その後シーザージムに入会し、シュートボクシングを学び、アマチュア大会で優勝しプロデビュー。シーザージム渋谷のオープンと同時にインストラクターとしてスタッフ勤務。

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