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 その重い腰が、ようやく上がったのかもしれない。

 今月4日の舞鶴場所での「女性の方は土俵から降りてください」というアナウンスに端を発し、6日・宝塚場所での女性市長に対する土俵上でのあいさつ禁止、さらには8日・富士山静岡場所で行われたちびっこ相撲からの女子児童締め出しなど、“土俵上は女人禁制”という伝統が議論を呼んでいる角界。23日、騒動の渦中にある日本相撲協会は“土俵と女性”をテーマにした臨時理事会を28日に開くことを発表した。

 複数メディアによって報じられた今回の一件。報道内容によると、この発表は前述の女性市長が“女人禁制”の伝統を見直す議論を始めるように協会・スポーツ庁に要請していた中での発表であったという。また、協会の広報部長を務める芝田山親方(元横綱・大乃国)も、これらの要請が臨時理事会開催の理由であるというニュアンスのことを説明している。

 この臨時理事会で実際に“女人禁制”の伝統に手が加えられるかどうかはさておき、ひとまず議論の場が設けられることになった今回の一件。ただ、今回の一件を受けたネット上では「どうせ形だけの理事会だろ」「何も期待できない」「そもそも話し合えるだけの知識はあるのか」といった冷ややかな声が挙がっており、臨時理事会に対する期待値の低さが如実に表れている。

 一方で、「伝統を世論で簡単に変更するのはどうなの?」「普段相撲なんか見てない外野のクレームで変える必要はない」「せめて第三者とか有識者を入れて」といった慎重論も少なからず見られる。“女人禁制”をはじめとした伝統の元、大相撲が今日まで生きながらえてきたということがこうした慎重論に繋がっているのかもしれない。

 とはいえ、何も手を打たないよりは、今回のように話し合いの場を設けた方が良いということは確かだろう。28日の臨時理事会に出席する方々には、是非ともしっかりとした建設的な議論を行ってほしいものだ。