今回のビジネス女子マナーは、保険会社勤務の川本みなみさん(仮名・30歳)からの相談です。

「同じ部署に、しょっちゅう会社を休む女子がいます。腹痛だとか、貧血だとか、本当に急に病気になるんです。この前の冬は、A型B型どちらにもかかったと、2回もインフルエンザで休みました。生理休暇も毎月のようにとっています。うちは分業制で、ひとつのジョブに対して、Aの人が行なったものをBの人が引き継いで次の業務を行なうという形をとっているので、ひとり休まれると、業務が止まってしまいます。なので、それを別の人が余計にやらなければいけなくなり、本当に迷惑です。正直、休んでほしくありません。どう対応したらいいのでしょうか」

1日のノルマが決まっていて、その日必ず仕上げて納品しないければいけないという業務の場合、ひとりが欠けてしまうと、大打撃を受ける……ということもあります。「いる人の中でなんとかしなければいけない」ということが何度も続くと、その原因をつくる人に対して、不満をもってしまうこともあるでしょう。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

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生理休暇については女性の先輩に相談を

相談者さんの部署に、マイペースな同僚女性がいるのですね。なるほど、その彼女は体調不良が原因で休んでいる。でも、インフルエンザA型B型どちらにもかかったのは、不可抗力。責めてはいけませんね。

また、生理休暇は労働基準法に定められた制度。生理期間中、本人が業務に支障がでるほど辛いときに申請すれば休めるというものです。労働者であれば、パート、アルバイト、正社員など、雇用形態を問わず、誰でも取得請求することができます。また、取得時には証明義務もありません。

生理休暇は、取得する人と、一切取得しない人がいます。相談者さんは、たとえ辛くても取得しない方なのでしょう。でも、生理の辛さには個人差がありますし、本人でないと図り知れるものではありません。そして、休むのは労働者の立派な権利。奪うことはできませんよ。

なので、ここは上司、といっても多くの男性は生理休暇に対して尻込みしてしまうでしょうから、話しやすい女性の先輩と相談してみませんか?

誰かが急に休んでも業務が進むような環境をつくる

相談者さんにできるのは、今後、彼女にどうしてほしいかを、プラス発想で提案するということ。彼女を叱ったり注意するのではなく、みんなで対策を練るのがおすすめです。たとえば……

・スケジューラーでお互いの予定を見える化する。
・急に休むときは、電話かメールで、休む人はその日に対応してほしいことを知らせ、誰かに引継ぐ。
・業務を属人化せず、2人、3人のチームを組んで担当する。
・メールはCCでサブ担当にも送り合い、情報を共有する。

などなど。つまり急に自分が休んでも、誰かが休んでも、困らない体制にするのです。

リスクマネジメントの観点からも、あなたの気づきを業務改善に反映させるチャンスです。同僚を悪者にすることなく、全員が働きやすい職場にしていきましょう。

「しょっちゅう会社を休まれると当てにできないから、むしろ邪魔」と思ってしまいがちですが……。

 



■賢人のまとめ
病気にしろ生理にしろ、会社員が休むのは、立派な権利です。決められている有給休暇内であれば、理由を説明する義務もありません。万が一仕事で迷惑をこうむったなら、今後はどうしてほしいかをプラス発想で提案してみてください。同僚を悪者にすることなく、働きやすい職場にしていきましょう。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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