錦織圭【写真:Getty Images】

写真拡大

錦織の復活劇にイタリアメディアも拍手、「サムライは生き返った」

 男子テニスのモンテカルロ・マスターズで世界ランク22位の錦織圭(日清食品)は世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)にストレートで敗れた。4大大会に次ぐ格付けの「マスターズ1000」初制覇はならなかったが、欧州メディアは「サムライは生き返った」「1週間パーフェクトだったラファに思い切りの良さを披露」と右手首の故障からの復活劇を称賛している。

 モンテカルロでキャリア11度目の優勝を果たしたナダル。全仏オープン10度優勝を誇る「赤土の帝王」に敗れたものの、日本のエースの復活劇も海外で大きな話題を呼んでいる。

「ニシコリも素晴らしい試合をしていた。サムライは生き返った。暗く、酷い手首の怪我から復調したのだ」

 こう報じたのはイタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」だ。ストレート負けを喫したファーストセットだったが、50分以上の死闘で3-6というスコア以上の接戦となった。

「ニシコリはすぐにブレイクに成功した。1週間パーフェクトだったラファを相手に、かなりの思い切りの良さを披露した」

強敵との連戦続きで消耗も、完璧だったナダル相手に「思い切りの良さを披露」

 今大会で1セットも失っていない、完璧な試合を続けてきた帝王ナダルを脅かした第1セットで、錦織が見せたアグレッシブさは復調のバロメーターとして高く評価されている。

「この日本人は4試合目の3セットマッチで消耗を余儀なくされた」

 記事では第2セットの錦織の失速にも注目。今大会で初戦で世界ランク18位のトマーシュ・ベルディハ(チェコ)、準々決勝では4位のマリン・チリッチ(クロアチア)、準決勝では3位のアレクサンデル・ズベレフ(ドイツ)と強敵を次々に撃破してきたが、いずれもフルセットの激闘だった。すでにかなりの消耗状態にあったことも、影響したとみられている。

 昨年8月の右手首の故障で、昨季の後半戦離脱を余儀なくされた錦織。それでもリハビリに励み、今季の開幕直後はカテゴリーが下の「チャレンジャー」に出場するなど、復調の道を一歩一歩踏みしめてきた。

 そして、復帰から約3か月で、海外メディアも認めた「サムライ錦織」の復活。世界ランクも22位まで戻した“エア・ケイ”の逆襲が本格的に幕を開けた。(THE ANSWER編集部)