トラックはリヤエンジンだと荷物を積みづらい

 海外ではトラックとシャーシを共通とするFRのバスを見かけることもあるが、こと日本においてトラックはFR(フロントエンジン・リヤドライブ)、バスはRR(リヤエンジン・リヤドライブ)のレイアウトとしていることが多い。

 もちろん、マイクロバスに関してはFRレイアウトがスタンダードで、RRが主流であるのは比較的大型の路線バスや観光バスにおける話であることは、もちろんだ。

 バスにRRが向いており、トラックにFRが向いているというのは、物理的に考えれば至極単純。もしもトラックがRRであると、荷物が積みづらいし、積載量も減ってしまうということは理解できるだろう。

 逆にバスがFRであったら、フロントエンジンのために乗降性は悪化するし、プロペラシャフトを通すぶんだけ床が高くなってしまい室内高は低くなってしまう。すなわち、人のスペースを確保するにはパワートレインを後方に集めたほうが有利、という極めて合理的な判断から大型バスはRRレイアウトとなっていると考えるのが自然だ。

 ちなみに、バスやトラックがリアドライブ(後輪駆動)であるのは、多くの人や荷物を積んで坂道をのぼるときに、前輪駆動ではトラクションの確保が難しいということが理由だが、この点については技術の進歩によりずいぶんと改善されている。つまり、バスの理想的なパッケージがRRだとすると、荷物スペースを最優先するトラックについては、トラクションが確保できるのであれば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)が理想的なパッケージになっていくはずだ。

 現時点では軽自動車※1や小型車※2サイズのバンにFFのモデルも存在しているが、軽から大型までバンやトラックはFRであることが基本といえる状況だ。

 しかし、荷物が積みやすく、また作業性にも優れるラゲッジの低床化を進めるにはFFシャーシが有利なのもまた事実。宅配便などラストワンマイルの物流を支えるクルマとしては荷室の使い勝手に有利なFF化が進んでいくことが予想される。

 そうした流れを加速させるであろうモデルが、近々登場すると噂の軽商用車「ホンダ N-VAN」だ。大ヒットモデルN-BOXの商用バージョンとして独自の進化を遂げているであろうモデルは、時代を変えることができるだろうか。


※1 例:ダイハツ・ハイゼット キャディー
※2 例:日産NV200バネット