マリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

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正左翼手ギャメル復帰で出場機会減へ、地元メディア「次は何が起こる?」

 マリナーズイチロー外野手は19日(日本時間20日)の本拠地アストロズ戦で出場機会なしに終わった。正左翼手のベン・ギャメルが故障者リスト(DL)から復帰後は2試合連続でベンチスタート。地元メディアが戦力外の可能性について報じる中、25人のアクティブ・ロースターに残ったが、今後は出場機会が大きく減ることが予想される。

 ただ、球団内でのイチローの評価は依然として高い。特に重視しているのが、チームへの影響力の大きさ。ジェリー・ディポトGMはラジオ番組で44歳への信頼を明かしており、「710AM ESPN SEATTLE」電子版は「この現状においてイチローはどのようにマリナーズにフィットするのであろうか? ジェリー・ディポトが彼の今後を語る」との見出しで報じている。

 FA市場が史上稀に見るスローペースだったこともあり、オフに所属先がなかなか決まらなかったイチロー。しかし、マリナーズはギャメルが故障したことを受け、レジェンドとサイン。そのギャメルが復帰するタイミングでイチローの去就に注目が集まったものの、マリナーズは外野手5人体制を敷いた。

 記事では「イチローとシアトル・マリナーズにとって次は何が起こるのであろうか?」として、ディポトGMのコメント紹介している。

「大体はベンがレフトを守っていくことになるね。それを受けてギシェルモ(へレディア)とイチローは控えの外野手ということになるんだ。そして、我々の狙いは全てのピースを可能な限り管理していくことなんだ。結局のところ、一番大事なことは我々はどのようにしてベストなチームになれるのかということで、そのベストなチームとは、クラブハウス、ロースター、ラインナップを束ねることなんだ。つまり選手たちの個性をまとめるということなんだ」

 この日の試合では、アストロズが先発右腕モートンから左腕シップにスイッチした8回の場面で、6点を追うマリナーズは左打者のギャメルの代打に右打者のヘレディアを送った。2-9とリードがさらに開いた9回には、アストロズ右腕ピーコックが登板してヘレディアに2度目の打席が回ったが、マリナーズは代打を送らず。イチローは出場機会なしに終わり、試合はそのまま2-9で敗れた。

注目集まる今後、GMは「いずれは5人の外野手を抱える贅沢はできなくなる」

 ただ、記事では「ディポトによると、イチローは彼の打撃や走塁、レフトの守備といった能力において、マリナーズにとって未だ価値のある選手である一方で、特に際立っているのは彼が持つ他の選手に対する影響力なのである」「彼がマリナーズに最初に在籍していた際のケン・グリフィー・ジュニアも同じようなことをしていたが、イチローがシアトルでロールプレーヤーとして順応してみせたやり方に、ディポトは感心させられたのだ」と言及。今後、背番号51の出場機会は減ると思われるが、同GMはプレー以外の部分も高く評価しているという。

イチローやケン・グリフィー・ジュニアと同等の功績を残してきた選手が、彼らが名声を得た期間を共にしたチームに復帰するとなったら、その場合、ヤンキースやマーリンズ時代のような『外野の控え』とかいうそんな簡単な話にはならないんだよ。シアトルでは“あの”イチローなんだから。彼らはどのチームでプレーしようが素晴らしいことに変わりはないけど、このマーケットにおいて、彼らとは離れられない何か特別な共鳴が存在するんだ」

 ディポトGMはこう話したという。

 一方で「現状では、マリナーズはロースターにイチローの為のスポットを空けてはいるが、ディポトの説明がシーズン全体を通して今と同じようにならない可能性があるということも、現実的なことなのだ」とも記事では指摘。いずれ、マリナーズが外野手4人体制に戻す可能性があることも示唆している。

 実際に、ディポトGMは「いずれは5人の外野手を抱えるというような贅沢はできなくなるからね。そして、選手たちがどのようにフィットしていくかを見極めなければならないんだ。今はまだその時じゃないよ」と話したという。これを受けて、特集では「イチローのロースターのスポットがやがて誰かの手に渡ることになった場合、彼をダグアウトにいる姿を目にすることを期待してはいけないのだ。コーチとして球団に残っている彼の姿も同様にだ」と伝えている。

 今季ここまでのイチローの成績は、11試合出場で33打数7安打の打率.212。球団は数字だけでは判断していないとはいえ、限られた出場機会の中で数字も伸ばしていきたいところだ。(Full-Count編集部)