愛犬が快適に過ごせるスペースが生まれるクルマも!

 ボクはクルマのラゲッジには無限の可能性があると思っている。荷物を積む場所から、ユーザーのアイディア次第でいかにようにも使えるユースフルスペースに、である。今回は数あるクルマのなかから、とくに秀逸な荷室をもつクルマ、5台をピックアップしてみた。

1)VWゴルフヴァリアント

 そうした収納スペースは日本車の“お・も・て・な・し”な造り込みが一番と思っていたら、大間違い。じつはボクの今の愛車を購入した決め手が、まさにユースフルなラゲッジだったのである。そのクルマとは、VWゴルフ7ヴァリアント。

 バックドアを開けると、なんの変哲もないラゲッジルームが顔を出すのだが、どこがどうビューティフルでユースフルなのかと言えば、フロアボードがラゲッジの奥行き3/1あたりのところでA字型に立てられるのだ。つまり、ラゲッジを前後でパーテーションできる。ただ、そのままだと手前3/2はスペアタイヤ丸出しで、ラゲッジとして使えない。

 そこでVW純正の「ラゲージアンダーボード」(楽天でも購入可)なるアクセサリーを敷くと、ラゲッジフロアが2重底になり、実際にはスペアタイヤまわりのスペースを含め、3層のラゲッジルームとして使えるのだ!! ボクはスペアタイヤのまわりを災害対策グッズスペースとして利用し、その上には転がりやすいものなどを収納している。

 話を戻そう。ラゲッジフロアがA字型に立てたフロアボードによって前後がパーテーションされるのだが、その奥、つまり後席背もたれの背後を愛犬用スペースとして活用。愛犬用3列目席と読んでいる。犬は動くものに敏感だから、荷物と別のスペースに乗る意味は絶大。安心してドライブが楽しめるのである。残念ながら、パサートヴァリアントではできない裏技的使い方だ。これまで、こんな使い方ができるステーションワゴンは、ゴルフヴァリアントだけ(SUVにはあるけどね)。

2)ボルボXC40

 XC40は試乗後、本当に欲しくなったボルボ初のコンパクトクロスオーバーSUV。すでに欧州カー・オブ・ザ・イヤー2018に輝いた栄誉あるクルマだ。そのデザイン、走り、快適性もさることながら、室内の日本車もびっくりな収納の数々にも驚かされたが、ユースフルを極めたラゲッジもまた秀逸。

 XC40もまた、フロアボードをA字型に畳め、ラゲッジフロアを前後2分割できるアイデアを採用。そこにはショッピングバッグを吊るせるフックまである親切さ!! 開口部に段差がまったくなく、フロア下ほぼ全面が隠し収納になっているなど、使い勝手もまた抜群すぎる。個人的な次期愛車の筆頭候補になっているほどだ!!

3)スズキ・クロスビー

 もちろん、ラゲッジの使い勝手では日本車も負けてはいない。たとえばコンパクトクロスオーバーSUVのスズキ・クロスビー。そのラゲッジルームは奥行き525mm、幅1305mm(Xトレイルとまったく同じ)と、コンパクトなボディサイズから想像もできないほど広大。

 9.5インチのゴルフバッグを横積みできるのだ。さらに後席を格納すればフロア奥行きは1165mm。ステーションワゴンのVWゴルフヴァリアントの1050mm(通常時)をしのぐスペースになる。

 クロスビーのラゲッジのすごさはそれだけにとどまらない。HYBRID MZの後席背面とラゲッジフロアは防汚タイプ。濡れたものや汚れたものをガンガン積み込める寛容さがあり、その下には脱着可能で丸洗いできる2WDで81リットル(深さ33cm)、4WDで37リットル(深さ17cm)もの容量があるラゲッジアンダーボックスが備わる。

 さらにそのラゲッジボードを外すことで背の高い、たとえばベビーカーや観葉植物などを積み込むことができるのだ。その際のラゲッジの高さは通常時80cm+ラゲッジアンダーボードの深さ分になる!!

アクティブ派には防水・防汚タイプがオススメだ!

4)ホンダ・シャトル

 国産コンパクトワゴンとして使い勝手一番と思えるのが、ホンダ・シャトル。ラゲッジはフィットベースのコンパクトワゴンとしては例外的に本格な仕立てとなり、通常時の容量は570リットル、後席を格納すれば1141リットルまで拡大。ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによるフロアの低さ(開口部地上高54cm!!)もあって、とんでもなく広く、使える……なんていう話はここではどうでもよい。

 ワゴンをもう何台も乗り継いでいるボクを感動させたポイントは、まず後席背後に格納された「マルチユースバスケット」の存在。帽子やマフラー、花束などをスマートに置け(転がりやすいもの、割れ物もOK)、使わないときはパタッとしまえるところが賢い。フロア下には汚れた荷物の気にせず収納できる、水や汚れに強いワイパブル仕様の収納スペースがあるから超便利

 しかもだ、ホンダアクセスが用意する「ラゲッジマット」がすごい!! 6:4分割の後席背もたれ、上記の「マルチユースバスケット」面までしっかり覆い保護してくれるアイテム。マット表面は細かい凸凹になっていて荷物がズレにくく、もちろんワイパブル。

 さらにリヤバンパー部分を覆ってくれる脱着可能なエプロン(ベロ)付きだから、荷物の出し入れ時、愛犬の乗降時のキズ付きも防いでくれるのだ。シャトルを買ったら絶対同時購入すべきユースフルなアクセサリーと言え、この高機能アイテムが欲しくてシャトルに魅せられているボクだったりするのである。

5)日産Xトレイル

 日産Xトレイルの大容量ラゲッジも素晴らしい。何しろ防水フレキシブルラゲッジ仕様で上下2段に使えたり、ラゲッジボードを立ててフロア前後をパーテーションできたりと使い勝手自在。

 ラゲッジに濡れもの、汚れ物を積み込むことが多いアウトドア派、スキー&スノボ派にはとくに薦めたい防水(防汚)機能がうれしいラゲッジである。