2017年3月末時点でのクリーニング所施設数は99709軒と10万を割り込んでおり、毎年3000〜4000軒のペースで減っていっています。

そんな中、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がクリーニング店の閉店の張り紙の画像をツイート。その内容が感動を呼んでいます。

老舗の閉店という重い報せを爽やかに伝える名文。
こういう文章を書ける方の人生は心から尊敬できる。

人生や人柄を感じさせるその張り紙には、このようなことが書かれています。

第一クリーニング商会先代の叔父の元に鹿児島から一人、電車を乗りつぎ出て参りました。
十五歳の時です。
不器用なもので他の事はなにひとつ出来ません。
只々、この仕事をひたすらに続けてきました。
人生はあっというまですね。
今年で八十歳になります。
この辺りで長年の相棒のアイロンを置こうと思います。
お陰様で元気でありますので残りの人生家内と二人、楽しんでいこうと思います。
長きに渡り当店をご利用頂き、ありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

これを見た『Twitter』ユーザーからは、「文学的」「名文」「うるっときた」というツイートが続出。閉店という悲しい出来事をすがすがしく、この後の人生を応援したくなるような文章なのではないでしょうか。特に、「アイロンを置く」という表現が多くの人の琴線に触れた様子。

アイロンを置こうって表現が達成感充実納得って感じでたとえ本当は、体壊したとか売り上げ落ちたから辞めます。でも明るく取れる気がする

さらに、『Twitter』では親族から春日氏に対してお礼が。

突然のご連絡失礼致します。第一クリーニングは私の祖父のお店です。このような形で皆様から温かい言葉をかけていただき、祖父母はとても喜んでおります。

この孫によると、この張り紙は「母が祖父と共に書いた文章」とのこと。

「幸せに過ごしてもらいたい」「あたたかい気持ちになった」という声が沢山上がっていたクリーニング屋閉店の張り紙。あいさつをどのように伝えるのか、人生とはなにか、さまざまなことを考えさせられる一文なのではないでしょうか。

※画像は『Twitter』より
https://twitter.com/tkasuga1977/status/985792176742219776 [リンク]

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