メガドライブ ミニ(仮称)は任天堂への対抗なのか? セガが往年の名作ゲーム機を復刻させる目的とは

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セガホールディングスの代表取締役会長CEO・里見治紀氏は2018年4月14日、セガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)のゲーム機「メガドライブ」の復刻版とも言える「メガドライブ ミニ(仮称)」(以下、メガドライブ ミニ)を2018年中に発売すると発表した。

「セガフェス2018」は、14日と15日の2日間に渡りベルサール秋葉原(東京・千代田区)で開催された。その初日、最初のステージに登壇した里見氏が自ら「メガドライブ ミニ」を発表。その瞬間、会場の観客からは拍手とどよめきが起こり、会場は大きな盛り上がりを見せた。

■復刻版メガドライブはファミコンへの対抗馬なのか?

「メガドライブ ミニ」の本体イメージ


当時のデザインを再現しつつ約4分の1サイズに小型化された「メガドライブ ミニ」は、テレビに接続して遊ぶことができる。

里見氏は、価格や発売日について具体的な言及はせず、詳細な内容は近日中に発表すると語るにとどめた。

「メガドライブ ミニ」は、発売から30周年を迎える「メガドライブ」を記念したプレミアムな製品となる予定だ。

家庭用ゲーム機の復刻版として記憶に新しいのが、任天堂の
・「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」
・「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」
という二つの復刻版ゲーム機だ。


ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ


2016年11月に発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」は、手のひらサイズの小さな本体に全30本のゲームが収録されている。
希望小売価格は5,980円(税抜き)。


ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン


翌年の2017年10月に発売した「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は、同じく手のひらサイズの本体に全21本のゲームが収録された。
希望小売価格は7,980円(税抜き)だ。

往年のゲームタイトルを多数収録した二つのゲーム機は、いずれも爆発的な人気を集めて発売直後から品薄状態になった。
同社の公式ページ上では、2018年も生産することが告知されている。

そして、今、セガが「メガドライブ ミニ」を発表した。
以前のゲーム市場であれば、先行する任天堂の「ファミコン」に対抗した製品とも受け取られていただろう。

果たしてそうなのだろうか?


■リバイバルはあくまでもニーズに応えたユーザーファースト
セガフェスのステージに登壇した里見氏は「〜すべてのセガファンに感謝をこめて〜 SEGA Fan Meet-Up 2018」と題したプレゼンで、4つの発表をしている。

1:新生「SEGA AGES」始動
セガの名作ゲーム15タイトル以上を「Nintendo Switch」向けに配信。2018年夏から日本、北米、欧州で同時展開する予定。

2:メガドライブ ミニ(仮)
今年発売30周年を迎える「メガドライブ」の復刻版を今年中に発売予定。収録タイトルについて、里見氏は「ユーザーの声を反映したタイトルを収録していきたい」と説明。

3:シェンムーI&II発売決定
「セガフェス総選挙 復活期待部門」で第4位にランクインした「シェンムー」を、2018年中に「PlayStation4(PS4)」向けのタイトルとして発売する予定。

4:新サクラ大戦のプロジェクトを始動
「セガフェス総選挙 復活期待部門」で第1位にランクインした「サクラ大戦」の新作ゲームを開発中。近日、プロジェクト全体の発表会を実施予定。里見氏が自ら製作総指揮を取っているとのこと。

上記の4つ全てが復刻版、復活タイトルといった「リバイバル」だ。

シェンムーやサクラ大戦は、ユーザーからの意見を集めた投票結果だが、「SEGA AGES」においても、ユーザーからの名作ゲームへの強い要望を汲んだ取り組みと言える。

しかも、「SEGA AGES」のタイトルは「Nintendo Switch」向けに、「シェンムー」は「PS4」向けに、それぞれ別々のプラットフォームで提供をする。

「メガドライブ ミニ」は復刻版「ファミコン」ミニシリーズの対抗のように見える。

しかし、現在のセガには、家庭用ゲーム機のハードウェア事業はない。
そして里見氏の「メガドライブ ミニ」発表で語る内容から見えてくるのは、あくまでもユーザーのニーズに応えた、ユーザーファーストなプロジェクトであるということだ。

一方で、「メガドライブ ミニ」が「ファミコン」同様に人気を集めることができれば、今年20周年を迎えた「ドリームキャスト」の復刻版も期待できるかもしれない。




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