闘莉王が大谷翔平について言及【写真:荒川祐史】

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メジャーで旋風巻き起こす大谷に闘莉王も感銘「メンタルがすごくいい」

 日本を飛び出し、メジャーでも二刀流で旋風を巻き起こしているエンゼルスの大谷翔平。投手として2戦2勝、野手としても3試合連続本塁打に満塁走者一掃の三塁打、走塁でも驚異的なスピードを見せるなど圧巻のパフォーマンスを見せている。日本人アスリートの代表として世界のトップで輝く大谷の活躍と不動の精神力は他競技の名選手も感銘するところだ。

 サッカー元日本代表の田中マルクス闘莉王(J2京都サンガF.C.)もその1人だ。

「あんなに肝の据わった選手を見たことがない。野球の世界で今までにないことをやっている。その中で、マウンドでも打席でも全く動じている様子がない。自分の出番では常に落ち着きを漂わせている」

 2016年リオデジャネイロ五輪ではテレビ局の解説を務め、現地で柔道の決勝戦を視察した闘莉王。NPBやカーリングなど他競技にも成長の糧を求めて視線を送り続けている。

 2010年南アフリカワールドカップで日本代表を16強に導いた百戦錬磨の名手はテレビ画面に映る二刀流右腕の静かな佇まいに感心している。

闘莉王が注目する大谷の精神力、「コミュニケーションも上手いと思った」

 開幕前のスプリングトレーニングで大谷はメジャーへの適応に試行錯誤した。オープン戦では打率.125、防御率27.00という、らしからぬ数字で、米メディアからは開幕マイナースタートという厳しい報道が相次いだ。

「あれほど、アメリカで批判されていたのに動じない。そのメンタルがすごくいいよね。黙って結果を出す。周りに流されない。謙虚さもいいんだろうね。自分が23歳の時はどうだったかな……。結果を出したら、批判した人間を見返すようなことを発言してしまうかもしれないね」

 米メディアのキャンプ中の批判にも全く動じる様子のなかった鋼鉄のメンタルを闘莉王は称賛。そして、ルーキーとして身を投じたエンゼルスに早くも溶け込んでいることにも注目した。

「試合のベンチを見ていて、周りの選手とのコミュニケーションも上手いと思った。その辺りの賢さというものを感じる」

 開幕から2週間で、大谷とチームメートとの信頼関係も伝わってくる。3日(日本時間4日)の本拠地インディアンス戦で初本塁打を放った大谷はダグアウトに戻ってきた際、あえて無視される「サイレントトリートメント」というメジャー流の祝福を受けた。大喜びの大谷はハイタッチを待つ素振りを見せたが、チームメートは必死に無視。それでも同僚のキンズラーに無理やり抱きつくと、チームメートもギブアップし、選手、スタッフ全員で祝福していた。

「ネイマールも大谷くんのような性格だったら…」

 新天地にすんなり溶け込み、自分の持てるパフォーマンスをいかんなく発揮できる環境を作り出した大谷のコミュニケーション能力の高さも闘莉王は感じ取っていた。

 6月にW杯ロシア大会を迎えるサッカー界。これまで大谷に重なるような存在はいただろうか?

「サッカー界で? いないんじゃないかな……。彼は誰もやっていないことをやっているわけだから。ネイマールも大谷くんのような性格だったら、今よりもっと上にいっていたかもしれないね(笑)。まだ23歳。これからだけどね」

 ディフェンダーながら絶大な得点力を誇る闘莉王は、超攻撃的DFという異名で知られた。だが、アメリカで「ベーブ・ルース2世」と呼ばれ、投手と打者を兼務する大谷のような存在はサッカー界に見あたらないという。

 絶大な才能とテクニックを誇るパリ・サンジェルマンのブラジル代表FWネイマールは、世界中の誰もが知るスーパースターだ。気ままなラテン気質の天才に、謙虚で真面目な大谷のメンタルが備わっていたら……。

 日本サッカー界きっての闘将も称えるほどの強靭な精神力を備える大谷。全米に衝撃を与える圧巻のパフォーマンスは、野球というジャンルを超越し、多くのアスリートに刺激を与えているようだ。(THE ANSWER編集部)