by Aaron Paxson

AppleはiPhoneを初めとする自社製品の修理は「正規の修理サービスに依頼するべき」としていますが、正規の修理サービスは高額な修理代金を請求されることもあるため、Appleの認可を受けずにApple製品の修理を行う業者が世界中に存在します。2017年にAppleはノルウェーの修理業者に対し「Appleの商標を侵害している」として和解金を請求しましたが、修理業者が対抗したところAppleが訴訟を起こした結果、Apple側が敗訴しました。

Apple Sued an Independent iPhone Repair Shop Owner and Lost - Motherboard

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ノルウェーで小型電子機器修理業を営むヘンリク・ヒューズベイ氏は、63台分のiPhone 6とiPhone 6sの交換用スクリーンをアジアから輸入したところ、ノルウェーの税関当局が「このスクリーンはAppleの製品を偽造したものだ」として押収し、Appleに報告したそうです。そこでAppleはヒューズベイ氏に対し、修理の請求書や修理した製品のリスト、スクリーン購入に関する資料のコピーなどの提出を求めた上で、2万7700ノルウェークローネ(約38万円)の和解金を請求しました。

ヒューズベイ氏はこの和解の申し出に対し、弁護士を雇って徹底抗戦する構えを見せました。「Appleは私に対してあらゆる請求を行い、私がスムーズに署名して和解金を支払うことを望んでいました。私が依頼した優秀な弁護士はこの問題をよく理解して調査し、私のほうに法的な正当性があることを見つけたのです」とヒューズベイ氏は語っており、Appleは和解を拒否したヒューズベイ氏に対して訴訟を起こしたとのこと。

ノルウェーで開かれた法廷において、Apple側は5人の弁護士を招いて争ったものの、Apple側が敗訴してしまったそうです。Appleは上級裁判所に上訴したとのことですが、今のところ裁判所が上訴を受け入れるかどうかは不明。ヒューズベイ氏のケースは、Apple製品の修理市場を独占したいAppleに脅かされている世界中のサードパーティー修理業者に対し、よい知らせになるものと思われます。



by Maia Weinstock

現状、Appleが純正の交換部品を提供しているのは、「認定サービスプロバイダ」として登録されたApple Storeおよび認可を受けた修理業者のみであり、修理業者はAppleに対して部品の料金を支払っています。Appleは認可した修理業者以外が部品を手に入れることを望んでいませんが、「誰でも所持する製品の修理を行う権利がある」と強く主張する動きも活発化しており、あの手この手で修理市場の掌握を試みているAppleは難しい状況に置かれているそうです。

Appleは認可を受けた修理業者以外に純正の部品を販売していないため、サードパーティーの修理業者は「グレーゾーン」の部品を入手しているとのこと。グレーゾーンの部品は「運搬中にトラックの後ろから落ちた」「生産ラインからなぜか行方不明になった」「品質テストの不合格品」といったものに加え、Appleと関係のない工場が作ったコピー品が含まれますが、各国でもグレーゾーンの部品の法的位置づけが曖昧なのが現状です。

「Appleの純正品だとうたっているグレーゾーンの部品は違法だ」と一般的には合意されており、ヒューズベイ氏が輸入したスクリーンにはAppleのロゴがあったものの、アルコールを染み込ませた布でロゴを拭いてみると、ロゴは取り除くことができたそうです。ノルウェーの裁判所は「Appleのロゴが使われていない限り、ノルウェーの修理業者がApple製品との互換性を持つスクリーンを購入し、修理に使っても法律上問題ない」としており、ヒューズベイ氏がAppleの権利を侵害していることを認めませんでした。



by Josh C

ヒューズベイ氏の弁護人は、「Appleは製品の販売後もその製品を所有しているわけではない」として、人々にはApple製品を正規の修理サービス以外の方法で修理する権利があると述べています。