村田諒太、ゲンナジー・ゴロフキン【写真:Getty Images】

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初防衛に成功した村田、全米で生中継したESPNもその動向に注目

 WBA世界ミドル級タイトルマッチが15日、横浜アリーナで行われ、王者・村田諒太(帝拳)が挑戦者で同級6位のエマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を8回2分56秒TKOで下し、初防衛に成功した。同級王座を防衛するのは日本人史上初の快挙だ。

 年末にも東京ドームでミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチの可能性が浮上しているが、村田の試合をプロモートするトップランク社CEOのボブ・アラム氏は「体格はアドバンテージ。彼に打ち勝つ可能性はあるだろう」と勝機ありとしている。全米で生中継した米放送局「ESPN」が報じている。

 村田は序盤から主導権を握り、試合を優位に進めた。有効打、手数でも上回り、じわじわと相手を追い詰めて迎えた8ラウンド終了間際。強烈な右ストレートでダウンを奪い、タフな相手をマットに沈めた。

 全米に村田の姿を流した「ESPN」は「リョウタ・ムラタはエマヌエーレ・ブランダムラ戦で最初のタイトル防衛に成功」と見出しをつけて特集記事を掲載している。

「この試合に多くの人々が注目していた事を実感している。その期待に応えるようなパフォーマンスが必要だった。この試合がアメリカのテレビで放送される事を事前に知っていた。それは、地位を固めていく上で重要なことだ」

 同局によると、村田は試合後こう振り返っている。この初防衛戦が今後のビッグマッチへ向けて重要な位置づけであること。また米国で放送されることで、結果だけでなく内容も意識していたと強調している。

村田はゴロフキン戦を熱望、双方が合意すれば28年ぶりの東京ドーム開催か

「ムラタはブランダムラをロープに追い込み、大きなダメージを与えていた。ブランダムラは回避するため距離を取ろうとしていたが、ムラタの素早さが彼を捕まえ続け、顎を狙う右手のパンチを狙い澄ましていた」

 記事では村田の戦いぶりに言及。「日本のスター、ムラタはあっさりと自身のタイトルを保持してみせた」と評価している。

 村田は試合後にゴロフキンとの対戦を熱望。記事ではこう伝えている。

「世界統一王者ゴロフキンにとっても、ムラタは避けては通れないチャレンジャーとなるだろう。何より、ムラタが彼との対戦を渇望しているのだ」

「もし双方で合意すれば、早ければ2018年下旬に東京ドームでムラタvsゴロフキンが実現することになるかもしれない。ゴロフスキンはカネロとのリマッチが未確定のため、スケジュールに関しては宙に浮かんでいる段階だ」

日本ボクシング史に残るビッグマッチへ、アラム氏は「ムラタは体格面のアドバンテージがある」

 ゴロフキンは5月5日にサウル“カネロ”アルバレスとの再戦を予定していたが、アルバレスのドーピング違反によって中止に。ゴロフキンの相手はいまだ決まっていない状態だ。なかなか相手が見つからないこともあり、年末に村田とのビッグマッチが実現する可能性があるとしている。

「ムラタはゴロフキンを凌駕する大きな体格がアドバンテージになる。彼に打ち勝つことは可能だろう」

 村田と契約するトップランク社CEOのボブ・アラム氏は、こう口にしているという。村田(182センチ)は、ゴロフキン(179センチ)を体格面では上回っており、その点にアラム氏は自信を見せているようだ。

 村田-ゴロフキン戦が実現したなら、日本ボクシング史に残るビッグマッチ。東京ドームでのボクシング開催なら1990年のマイク・タイソン-ジェームス・ダグラス戦以来、28年ぶりとなる。村田は誰も歩んだことのない道を歩こうとしている。(THE ANSWER編集部)