2018-0414
スマートフォンやタブレット型端末の急速な普及に伴い、大きく変化したインターネットの利用様式の一つが動画関連。数年前までは動画によるやり取りが未来の話、あるいはごく一部の人に限られた技術のように語られていたが、今やスマートフォンなどを利用してインターネットに接続することで、個人で記録した動画を公開し、不特定多数に視聴してもらうことが極めて容易となった。まるで文章をインターネットでやりとりする感覚で、動画の投稿や閲覧が可能な時代が到来している。そのスタイルは小中高校生の間にも急速に広まり、テレビを観たり漫画を読むのと同じように、配信された動画を楽しんでいる。今回は内閣府が2018年3月30日付で確定報を発表した、【平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データから、小中高校生におけるスマートフォンを介した動画視聴の現状を確認していくことにする。
今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる】を参照のこと。

冒頭で触れた通り、スマートフォンなどの端末の普及を受け、それを用いて動画を視聴する生活スタイルは、それこそテレビを視聴するかのように人々の中に組み込まれている。そこで実際に、どれほどの小中高校生がスマートフォンで動画を視聴しているのかを確認する。スマートフォンを持ち、それを使ってインターネットを利用している人に、動画視聴をしているかを尋ねた結果が次のグラフ。動画視聴のスタイルとしてはインターネット経由で閲覧する以外に、ファイルをダウンロードしてオフライン(インターネットに接続していない状態)で観るパターンも想定されるが、今調査ではそれに関わる調査項目は無い。なお今件におけるスマートフォンは通常型のスマートフォンを意味し、格安スマホなどは該当しない。


↑ スマートフォンで動画視聴をしている人の割合(2017年、スマートフォンでインターネットを利用している人限定)

スマートフォンを持ちインターネットを利用している人のうち、小学生では約6割、中学生なら3/4強、高校生は8割強が動画視聴をしている。同じ学校種類なら男女差は大よそ誤差の範囲で事実上差は無いと見てよいだろう。具体的な視聴先は調査対象とされていないので今件では不明だが、スマートフォンで視聴可能な動画サービスは山ほどあるため、視聴先には困らない。

「スマートフォンでインターネットを使っている小中高校生の6割から8割が動画を観ている」。これは一つの指標ではあるが、全体像がやや分かりにくい。そこで各属性毎のスマートフォンでインターネット利用をしている人の割合を抽出し、それと合算することで、各属性の全体のうち、何%がスマートフォンで動画視聴をしているかを算出した結果が次のグラフ。例えば女子小学生は10.3%と出ているが、これは女子小学生全体の1割強が、スマートフォンで動画を視聴していることになる。

↑ スマートフォンで動画視聴をしている人の割合(2017年、各属性全体比)
↑ スマートフォンで動画視聴をしている人の割合(2017年、各属性全体比)

スマートフォンを利用していなければ当然スマートフォンで動画は視聴できず、さらにスマートフォンを利用していてもインターネットへのアクセスが許可されていなければ(今件定義における)動画視聴は不可能。よってスマートフォンの利用状況そのものが多分に反映される形となっている。

小学生は元々スマートフォンの利用率が低いため、値そのものも低く10%強。中学生は3割強、そして高校生は7割強。「高校生全体の7割強はスマートフォンを使って動画を視聴している」計算になる。対象となる動画サービスは多種多様だが、関係方面には小さからぬ驚きを覚えさせる値に違いない。



今件「動画視聴」はその頻度や視聴先は問われておらず、具体的な視聴スタイルは不明。しかし少なくとも「スマートフォンで動画」との新しい娯楽様式に関して、小中高校生の実情が把握できたのは興味深い。今後スマートフォンの普及が進むに連れて、小中学生にもこの「スマートフォンで動画」はさらに浸透していくに違いない。