こんにちは、新里 碧(にっさと みどり)です。現在34歳で、2016年10月まで広告代理店でOL をしていました。2017年2月に結婚をしたのですが、出会いはなんと、iPhoneのお見合いアプリ。そんな私の体験談をハウツーも交えながらご紹介するのがこの連載です。これまでの【アプリ婚】はコチラ。

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前回までのあらすじ:お見合いアプリ再開後、31歳になっていたにっさと。まだほとんどメッセージのやりとりもしていない人に誘われ、期待もせずに飲みに行くと、なんと自分の好きなゲーム会社の人だった!テンションのあがるにっさとだったが……!?

お見合いアプリで初めての人に会った時の服装を、今でも良く覚えています。その次の人に会った時の服も、その次の人の時も……。それくらい、毎回何を着ていくべきか悩んで決めていました。
自分の好きなファッションと、世の中でささやかれている“モテ系ファッション”に乖離を感じていたので、服を選ぶことは楽しくもあり辛くもありました。普段から“モテ系ファッション”に軸足を置いている人には今回の記事は何もひっからない記事だと思いますので、そっと閉じてください。
「婚活してるし、彼氏欲しいし、結婚も考えてるけど……モテ系ファッションだけはイヤだ!!」というあなたに送る記事です。自分の好きなファッションとモテ系ファッションの狭間で揺れていた20代後半の私に読ませてやりたいことを書きました。

耳にした“モテるファッション”をすぐさま取り入れた20代後半

「モテる!!」と思って疑わなかったファッションがこちら。

友人に勧められて始めたお見合いアプリでしたが、やるにつれて「せっかくやるなら、何としても成功させたい!」という気持ちになり、「モテるにはどうしたらいか」をぐるぐると考えるようになりました。ネットでも気になるのは、とにかく“モテ”!

中高一貫の女子校から共学の大学に入学したばかりの頃以上に、“モテ”という言葉に敏感になっていました。正直、今思うととてもキモいです。34年の人生の中でキモい期はいろいろあるのですが、この頃はスバ抜けてキモかったです。

その当時の代表的な姿がこのイラストです。
全身が、“どこかでそれがモテると聞いた”もので出来ています!髪の毛は本当はスパイラルパーマだったのですが、むりやり伸ばして、痛んでゴワゴワのロングにしていました。パーマはモテなくて、ロングがモテるって聞いたから!前髪もななめに流した方がモテるって聞いたから!
アクセサリーも個性的で大きいものが好きなのですが、つけているのかつけていないのかわからない幽霊のようなプチネックレスをつけました。それがモテるってどこかで聞いたから!
トップスは、ZOZOTOWNで買った胸がVに開いた赤いゆったりセーター。赤は動物が本能的に興奮したり好意を持ったりするってどこかで聞いたから!
寒いけどチェックのホットパンツ(これもZOZOTOWNで買った。モテ系ショップの店頭には恥ずかしくて行けないから。)に肌がスケスケの50デニールの黒タイツをコーディネート。半ズボンは流行ってる気がしていたし、薄い黒タイツはエロくてモテるって聞いたから!

でも、いくらなんでも寒いからロングブーツ(町では一人も履いている人いないけど、自分の好みの編み上げブーツ)を履きました。
そして行った先が、靴を脱いであがらなくちゃいけないお店だったりした時は、靴を脱ぐ時にV首の胸元の開きとホットパンツから出る脚の延長戦にあるお尻が気になって気が狂いそうでした。「なんで自分はこんな服を着ているんだ!」と。
それでもどこかで耳にした“モテる”という情報を信じて着ていました。

“モテ”とは、自分からはあまりにも遠い世界のもの

美大時代の友人が放った衝撃的なひと言。

私よりも積極的にお見合いアプリを活用して婚活していた友人と、久しぶりに会った時に言われたひと言です。
「美大系女の服の趣味は一般的な男性にはウケないから、自分がダサいと思うような服を着ないと!」と言われて、頭をカナヅチでガーンと打たれたような気がしました。そしてそんな話をしながら飲んだ後に、有楽町のルミネとマルイに行ったことを良く覚えています。ちょうど世の中に“ミモレ丈”というスカート丈が出てきた頃です。

その日は何も買わなかったのですが、数日後パステルブルーのモヘアニットを購入しました。自分の持っている服には一切マッチしない服でしたが、モヘアのニットもパステルカラーのトップスも“モテるとどこかで聞いた“から購入したのでした。

アイデンティティーの崩壊

自分の好みと違うものを無理して身につけすぎて、アイデンティティーが崩壊した女たち。

同じく婚活中だった社内の友人から来たメッセージです。
時期は少しずれていましたが、自分の好みとあまりにも違うものを“モテる”からという理由で身につけ続けたことで、私も友人も完全に自分が何者なのか見失いそうになっていました。
もともと柄物が好きだった私は、シンプルで無地のつまらない服に身を包む亡霊のような女になり、アメリカのドラマに出てくるようなボディコン系が好きだった友人はフリルとリボンがアクセントについた服に身を包み、ゾンビのような表情を浮かべるようになってしまいました……。

途中までは「コスプレだと思ってやれば、なんてことはない」などと言っていたのに、気がついたら「何を着れば良いのかもうわからない」状態に。
これほど服というものは人に影響を与えるのか!という驚きとともに、不本意なものを身につけているだけで自我が崩壊するという、恐ろしさも感じました。

つづきの後半は漫画です!アイデンティティーの崩壊を乗り越えた私がたどり着いた結論とは?服とモテで悩める女性は必見です!〜その2〜に続きます。