街の若者に、Facebook、Twitter、Instagramの中で一番よく見るSNSを聞くと、圧倒的に多かった答えが「Instagram」。ニールセンの調査によると、2016年8月から2017年8月の1年に最も利用者数が増えたのはInstagramで、前年同月比43%増の1706万人だった。

 フォローしている人を聞いてみると、渡辺直美、山崎賢人、三浦翔平、有村架純など芸能人の名前が挙がる一方で、「かわいいカフェとか行ってかわいい写真をあげてる人」「GoProで撮った写真を載せるみたいな。風景とか自分を写している(人)」「ファッションのコーデとかを撮ってる人。自分も『こういうの着てみようかな』ってなる」と、今や芸能人でもセレブでもない一般人のアカウントも大人気だ。

 その中には、自己表現の場として活用している女性や、趣味でアップした写真が高じてビジネスに繋げた人もいる。友達や知り合いとつながるSNSの枠を超え、Instagramを通じて人生を切り開いた2人の女性の姿を『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)は追った。

■体のコンプレックスを武器に世界観を創出

 インスタグラマーのなつかさん。一見普通の女性に見えるが、Instagramのフォロワー数は約4万人。素人モデルとして活動し、ちょっとエロくて可愛い“エロカワ”な写真で多くのフォロワーの注目を集めている。

 彼女のInstagramの特徴が「自撮りはあげない」こと。プロのカメラマンが撮影した写真で統一感を出し、自らの世界観を作っているという。カメラマンは基本的にInstagramで探し、「いつも良い人に撮られているモデルさんを探して、その人がタグ付けしているカメラマンに飛んでDMを送ったりとか、好きな写真にコメントをして撮影に繋げようと努力している」と自ら動いている。撮影された写真はカメラマンの間でも話題になっているといい、現在はカメラマンの方から撮影オファーが来るようになった。撮影してもらったカメラマンは2年間で約100名を数える。

 なつかさんが写真にハマった理由は自身の体のコンプレックスから。「胸が大きいとか顔が丸いとか全部含めてコンプレックスだったのを、カメラマンさんに撮ってもらうことでこんなに綺麗に写してもらえるんだということに感動した。欠点だと思っていたところをチャームポイントなんだと考えを変えるだけで、楽しいしすごく堂々とできる。堂々としている女の子って客観的に見てカッコイイと思うし、素敵だと思う。毎日が違う、楽しい」。

 取材したこの日は、Instagramにあげる写真撮影のため都内のホテルへ。写真展で出会って以降、よく撮影を頼むようになったというプロカメラマン・Micchiiさんとの撮影だ。「シースルーなんで下着はモノクロ。光が透けているところを背景に逆光で撮る感じがいいかな」とカメラマンに提案するなつかさん。実は彼女自身も写真を撮り、撮ってもらいたい写真のイメージを細かく伝える。

 「表現することに興味があって、あとはメイクだとか自撮りとか元々すごく研究していた。どう写ったらカッコよくなるかとかずっと調べていた。自分で撮るのも好き」

 写真の色味を修正するレタッチもプロが任せられるほどだといい、Micchiiさんは「できる基準が一般よりもちょっと高いので、僕らも逆に仕事を頼めるくらい。いずれモデルじゃなくてクリエイター側にいると思う」と絶賛した。

 写真に対するコメントなどリアクションが多いのは女性で、なつかさんは「オシャレ感を入れたエロって女性に人気なのかなって思う」と分析。今後の目標については「今のところは週刊誌の表紙になること。努力が必要なので頑張る」と語った。

■キャンプ写真がビジネス&社会貢献に

 インスタグラマーのYURIEさん。彼女のInstagramには、アウトドアやキャンプに特化した写真が掲載され、オシャレなキャンプ飯や楽しみ方が多くのフォロワーの注目を集めている。フォロワー数は約6万3000人。Instagramの写真が話題になり、昨年には本も出版した。

 取材を行ったこの日は、「デイキャンプをしに行く」というYURIEさん。目的は「自然の中でご飯を食べる」こと。旦那と初めて行ったキャンプでその魅力にハマったといいい、自然と触れ合えることが一番の魅力だという。「平日は東京で働いているので、あまり自然を感じられない。だから、非日常を感じられる、四季を感じられるからすごくハマったんだと思う」とYURIEさん。

 キャンプの写真をInstagramにアップしていったところ、そのスタイリングセンスが注目を集め、GoogleやKIRIN、日産や伊勢丹など多くの企業から仕事のオファーが来るようになった。現在は、勤めていた会社を辞め独立。企業から依頼されるアウトドア関連の仕事を行っている。Instagramがきっかけで人生が変わったのだ。

 目的地である芦ノ湖キャンプ村に到着すると、慣れた手つきで車からキャンプ道具を下ろし、準備を進めるYURIEさん。キャンプ道具にも詳しく、キャンプ情報を専門に発信するサイトで連載を持っている。

 この日作るのは、旬の食材を使った炊き込みご飯。慣れた手つきで火を起こし、具材を入れた鍋を火にかける。十数分後、火から外し蒸らしたら完成だ。すると、YURIEさんはテーブルの上の道具の位置を調整し始めた。食べ物をただ撮るだけでなく、蓋が少し開いていたり食器にはしが置いていたりと、キャンプ場に来ている雰囲気を感じさせて写真を撮るのがYURIE流だ。

 また、世界観を統一するため全ての写真に同じフィルターを薄くかけているといい、「おすすめのアプリは『VSCO』。雰囲気のある写真に簡単に加工することができる」と明かした。

 別の日、跡見学園女子大学を訪れたYURIEさん。この日、国土交通相が主催するセミナー「半島のじかん2018 in Tokyo 〜インスタグラマー×大学生による半島の宝さがし〜」に招かれ、パネリストとして参加していた。観光学を専攻する女子大生とともに千葉の南房総を回り、Instagramを通じてその魅力をいかに発信していくかというレポートを発表。会場にいた南房総市の職員は「このような取り組みは南房総市にとってもありがたい。実際に来られた観光客が本音でPRして頂ければ、行政としてはこんなにありがたいことはない」と話す。

 Instagramの活動が地域貢献につながったことについてYURIEさんは「自己満足でやっていたものがちょっとでも誰かのためになったり地域活性化につながるというのは嬉しい。発信していて良かったなと思える瞬間だった」と喜びを語った。

 こうしたインスタグラマーの活躍について、キャスティング会社A3(エイスリー)の彦坂さんは「YURIEさんのような、特定のジャンルに特化したインスタグラマーはそのジャンルのファンから人気が集まりやすく、一度ついたフォロワーが離れにくい」「単純なフォロワー数の多さよりも、投稿者とフォロワーとの結びつきを示す『エンゲージメント率』の高さが重要視される」「女性ウケがいいアカウントはフォロワーがつきやすい」と分析した。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

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