13日、ホワイトハウスで会見するトランプ米大統領=AP

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 米英仏が、シリアへの攻撃を始めた。

 東京都内でこの日始まったシリア難民の子どもたちを撮影した写真展を訪れた人からは、悲劇の拡大を心配する声が上がった。シリア情勢に詳しい専門家は、母国を離れる難民がさらに増える恐れがあると懸念する。

 東京都渋谷区にある聖心女子大の特別展示室で始まった、シリア難民の子どもたちの写真展。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんがシリア国内や隣国ヨルダンの難民キャンプなどで撮り続けている写真約30点が並ぶ。

 見学に訪れた目黒区の篠崎佳子さん(44)は、十数年前にシリアを観光したという。「風景も暮らす人々も美しく魅力的で食事もおいしい。また必ず訪れたい」。しかし、近年は入国しようとしても国境までたどり着けなかった。今回の攻撃について「『火に油』だと思う。米国が関わることで、日本も戦争に巻き込まれていかないか」と表情を曇らせた。

 写真展を主催するNPO国境なき子どもたちの清水匡さん(47)は「人々が犠牲にならない手段で早く解決しなければいけない。武力攻撃によって解決とは逆の方向に進んでしまうだろう」と心配した。

 シリアへの留学経験があり、ヨルダンで難民支援をしてきた看護師の田村佳子さん(38)=千葉県館山市=は「苦しんでいる人の声が届かないのかと思うと悲しい。現地で新たにカフェができたといった前向きな話もあるのに」と言う。

 一方、シリア情勢に詳しい内藤正典・同志社大教授(現代イスラム地域研究)は今回の攻撃を「世界情勢へのインパクトが大きすぎる」と心配する。人口約2千万人のうちすでに約500万人が難民として国外に流出しているとし、「さらに新たな難民が生まれると予想され、人道上の危機そのものだ。欧州では難民の流入で排外主義が強まっており、こうした傾向にも拍車がかかる」と話す。

 シリアは北朝鮮と40年来の親交があるといい、米朝首脳会談にも影響を与える可能性があると指摘。「金正恩氏が今回の攻撃をみて『化学兵器でも体制を維持できない。核が唯一の対抗手段だ』と考え、核の放棄が難しくなるのではないか」と懸念した。