フェイスブックは高成長から「存続可能」へ? すでに市場に兆候

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英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカ(CA)への個人情報の流出問題などについて、最高経営責任者(CEO)が米議会で証言する事態となったフェイスブック。今こそ同社の株価の今後について、改めてよく考えてみるべき機会だろう。

フェイスブックの時価総額は現在、4840億ドル(約51兆7000億円)前後。昨年の売上高は、約400億ドルだった。時価総額を現在と同程度の水準に維持するためには、マーク・ザッカーバーグCEOは今後も、並外れたレベルの成長を持続させなければならない。同社の株主にとって、いま最も付加価値のある行動は、同社の直近の決算内容について見なおしてみることだ。

昨年の業績は好調だが─

投資の観点から見てみると、フェイスブックが直面する最大の問題は、同社の昨年第4四半期の決算結果に表れている。同期の粗利益率は88%(前年同期から変化なし)。2016年第4四半期に52%だった営業利益率は、昨年同期には57%に上昇していた。

企業の成長率は、株価に影響を与える。つまり、ある時点を過ぎれば減速し始めることは避けられない。そして、市場はすでにフェイスブックの成長鈍化を見込んでいると考えられる。ナスダック総合指数が年初来1.9%上昇しているのに対し、同社の株価は同じ期間に8.2%下落している。

フェイスブック株がアンダーパフォームしていることを示すこの約10ポイントの差は、同社の成長速度が近く確実に減速を始めるという投資家の危惧を背景としたものに他ならない。同社の米国内のデイリーアクティブユーザーは同期、前期比およそ70万人減少していた。これは、フェイスブックページの削除を促す「#deleteFacebook」運動が活発化するよりも前に起きていたことだ。

さらに、同期のフェイスブックの広告売上高は総売上高の98.5%を占めたが、広告主たちはとても、広告1件当たりに費やす費用を前年より43%ずつ費やし続けていくことはできない。

ザッカーバーグは、「フェイスブックは今後も無料であり続ける」と主張したかもしれない。だが、フェイスブックの同期の米国ユーザー1人当たりの売上高は、平均26.26ドルだ。買い物などの取引を成立させるものではないサイトとしては、驚くべき数字だ。ただし、これは同時に、フェイスブック株が直面する大きな問題を示唆するものでもある。

高まるダウンサイドリスク

成長株への投資という観点から言えば、それ以上はないほどにまで上昇してしまうことは、その後についての懸念が大幅に高まるということだ。フェイスブックの昨年第4四半期決算は本当に良い内容だった。

私たちは株価の値動きについて、ある種の歴史的視点を持っておく必要がある。一業界のファンダメンタルズが進化する中で、個別の株価の値動きは取り残されていく場合があることを知っておくべきだということだ。

過去20年間の株式市場の動向を確認し、シスコやブラックベリー、ジュニパーネットワークス、ノキアといった企業の株価の変化を見てみてほしい。いずれも今でも、生存能力のある企業だ。だが、クラウドコンピューティングや高機能のスマートフォンへの移行は、これら各社の株価を"置き去り"にしてきた。これらに示されるのが、高成長株のダウンサイドリスクだ。

フェイスブックのCEOがビジネススーツに身を包んで議員らの前に姿を現したことは(メディアは「ザッカーバーグがネクタイをしている!と大騒ぎだ」)、避けようのない減速が始まったという兆候なのだろうか。いや、株式市場の動向はすでに、同社が成長鈍化に向けて進み始めていることを示唆している。