中東情勢の緊迫化が、市場を揺さぶっている。化学兵器の使用疑惑が持ち上がったシリアのアサド政権に対し、トランプ米大統領は軍事行動に――。

「地政学リスクが急浮上しています。北朝鮮リスクが後退した途端に、シリア問題が降って湧いた感じです。市場は神経質な動きとなっています」(市場関係者)

 12日、日経平均は前日比マイナスで引けた。ところが、いわゆる“戦争銘柄”は逆行高を演じたのだ。機雷や地雷で知られる石川製作所は前日比でプラス6・2%の2360円(終値)。小銃や火器の豊和工業は2・8%アップの1245円だった。

 照明弾の細谷火工はプラス3・0%、防毒マスクの重松製作所はプラス6・0%、防弾チョッキ用の繊維を扱う北日本紡績も2・6%アップだ。日経平均がマイナスで引けただけに、戦争銘柄は異様な盛り上がりを見せたことになる(別表参照)。

「米朝の緊張が緩んでから、防衛関連株は冴えない動きとなっていました。シリア情勢の緊迫化で、こうした銘柄が“戻り高値”を探り始めたといえます」(株式アナリストの黒岩泰氏)

 昨年秋、米巨大ファンドのブラックロックが石川製作所の株を大量に買った。同ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書によると、石川製作所株を8・75%保有する。またブラックロックは豊和工業株を6・61%持つ大株主だ。

■株式市場はすでに戦争モード入り

「昨秋以降、ファンドが戦争銘柄を売却したという報告書は出ていません(12日時点)。投資ファンドは百戦錬磨。戦争銘柄の爆騰情報を仕入れたからこそ、大量保有に踏み切ったはずです。そう考えると、この先、売り時が必ず来ます。シリアに対する軍事行動が、その答えなのかもしれません」(前出の市場関係者)

 石川製作所の株価は2017年初めに700円前後だったが、10月には6倍以上となる4435円の高値をつけた。「本当に戦争がボッ発したら、新高値をつける可能性がある」(証券アナリスト)との見方も出てきた。

 株式市場は、世の中の動きを先取りする。その市場は、すでに戦争モード入りしている。