「本件は首相案件」――。加計学園の獣医学部開設をめぐって、2015年4月に官邸で面会した愛媛県や今治市職員らに対し、そう発言したという柳瀬唯夫首相秘書官(当時)。「自分の記憶の限りでは」と、微妙な言い回しで事実関係を否定したが、野党は納得せず。証人喚問については与党も容認姿勢を示し、不可避の状況だ。それでも柳瀬氏に焦りは見られない。証人喚問など屁でもないと思っているのかは知らないが、悠々と「億ション」ライフを満喫している。

 面会した発言の真偽をめぐってすっかり「渦中の人」の柳瀬氏だが、12日、来週予定されている安倍首相訪米の勉強会出席のため、午前と午後の計2回にわたり首相官邸を訪問。会合後、大挙した報道陣に「国会招致の話題は出たか」と問われても、「しないよ」「(話題は)アメリカの話」と妙に余裕しゃくしゃくだった。

 現在、経産省ナンバー2の審議官を務める柳瀬氏は、このまま安倍政権を守り切れば、夏の人事で事務次官に出世できる可能性が高い。昨年7月の閉会中審査で官邸での面会について質問された際も「記憶にない」を7連発してノラリクラリだったから、おそらく“次のポスト”を見据えた振る舞いだったのだろう。

 そんな柳瀬氏が住むのは東京・杉並区内の4階建てセレブマンション。京王井の頭線の浜田山駅から徒歩約5分の閑静な住宅街に位置する。約9300平方メートルの敷地内には低木が整然と植え付けられ、隣接する公園の木々と相まって新緑が目にまぶしい。重厚なエントランス脇の駐車場入り口からは、高級車がズラッと並んでいる様子がうかがえる。マンションは築15年と決して新しくはないものの、現在の中古価格でも1億円は下らない「億ション」だ。登記簿によると、柳瀬氏は親族から相続したとみられる。

 柳瀬氏と学生時代からの友人はこう話す。

「柳瀬くんは、自ら悪に手を染めるような人間ではありません。真面目な性格なだけに、秘書官として総理を守るという使命感を強く持っているのでしょう。それ以上に、官邸の意に反した行動を取れば、手痛いしっぺ返しを食らうことが分かっている。だから、曖昧な発言に終始せざるを得ないのでしょう。彼は本音では『苦しい』と思っているのではないか」

 住宅ローンなど将来の金銭的負担が何もない柳瀬氏にとって怖いものは何もない。だからこそ、余裕しゃくしゃくなのだろうが、ならば、いい加減、目を覚まして洗いざらい話すべきだ。