役所に届け出れば月数万円の家賃をトクするかも!知らなきゃソンな家賃補助制度

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 ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢です。

 昨年から、東京23区内の行政サービスを検索できる「ほじょナビ」を運営する、一般社団法人「みんなで作る良い行政サービス協会」の主任研究員を務めています。

 国や自治体から受けることができる補助金は、申請しなければ受給できないものも多いです。そうした制度を有効に活用することをテーマとした書籍「最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金(宝島社)」を、この度監修いたしました。

◆月1万〜2万円の家賃補助を受けられる自治体も

 子育て世帯やシングルマザー、親世帯の近くに住む家族などに対して「民間賃貸住宅家賃助成」などの名称で、家賃補助を行う自治体は多いです。

 例えば東京都目黒区では18歳未満の子供を養育している条件を満たす家庭には月額2万円、最長3年間給付する制度があります(平成29年度)。引っ越し費用を補助する自治体もあります。

 単身者だとこうした補助を受けられない印象もあるかもしれませんが、東京都新宿区では、単身者(18〜28歳)に対して月額1万円、最長3年間の補助を行っています。しかも、年収の制限もありません。

 平成29年度の実績だと30世帯への給付に対して128世帯の応募があり、倍率は4.27倍でした。必ずしも受けられるわけでもありませんが、可能性が低い倍率でもなさそうです。今年度は9月頃に募集が始まるようなので、スケジュール帳などに記録し、申し込みを検討してもよいでしょう。

 民間の賃貸住宅以外にも、国や自治体から補助を受けながら割安に借りられる「特定優良賃貸住宅(特優賃)」という物件もあります。東京ではJKK東京(東京都住宅供給公社)などで「都民住宅」として取り扱いされています。

 家賃補助や、引っ越しの補助、特優賃などの割安に借りられる物件など、お住まいの自治体に類似の制度がないか、確認してみると、受けられる支援を見つけられるかもしれません。

◆失業したときの住宅費用も補助が受けられる

 会社の倒産やリストラ、転職などに伴い、一時的に生活が厳しくなることもあるかもしれません。そうした場合のセーフティネットとして各自治体で「住居確保給付金」という制度を備えています。

 通常、離職して2年以内、65歳未満で生計を維持する世帯主であることなどの条件を満たす必要があります。家族の人数や、貯蓄額などに条件があり、給付される金額もエリアによって異なります。

 例えば横浜市の場合、単身者で一定の所得以下、保有する金融資産が50万4000円以下の場合、最大月額5万2000円の住宅確保給付金を受けられる可能性があります。

 雇用保険から給付される基本日額手当(いわゆる失業給付)とあわせて、いざという時のセーフティネットとして知っておくと心強いでしょう。なお、住居確保給付金は雇用保険に伴う制度ではないため、自営業者が廃業した場合などで生活に困ったら、会社員に限らず広く受給を検討することができます。

 次の働き方をしっかり検討するためにも、頼れる制度は積極的に活用すると良いでしょう。

 こうした行政サービスや補助金について知っておくことは、いわば、情報を使って家計を守ることと言えます。思うような収入が確保できない時や、病気・子育て・介護など仕事をセーブする必要があるライフステージなどでは、情報を持っていることが、稼ぐ力を代替するシーンもあります。いざという時のために、本やサイトで情報を集めておきましょう。
 
<TEXT/風呂内亜矢>
【風呂内 亜矢(ふろうち・あや)】
ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。現在はテレビ、ラジオ、雑誌等でお金に関する情報を発信している。近著は『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(監修)、『超ど素人がはじめる資産運用』