電子マネーの決済ができる携帯電話の台数が、17年10月に3,200万台を超えたと日銀が公表している。10年前に約850万台であったのでざっと4倍増ということになる。ある調査では、10年前に所有する電子マネーは交通系のSuica(スイカ)が24%と断トツで、流通系の「nanaco(ナナコ)」や「WAON(ワオン)」は1%に満たなかった。これに対して「直近1年間に利用した電子マネー」は17年にスイカが26%だったのに対して、ワオンは29%、ナナコは30%になった。電子マネーを持つ世帯が全世帯の半数を超えたという調査結果もある。

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 10年間でこんなに拡大したと見るか、まだまだと見るか、立場によって見方は様々だろう。日本のキャッシュレスによる決済比率は現在約20%程度、これを今後10年間で倍の40%に引き上げることが日本の目標だ。今までと同じ程度の進捗では到底達成は出来ない。しかも計画通り40%が達成できたとしても、既に50%を超えている韓国や中国に追い付くわけではない。しっかりと取り組みやすい仕組みを構築して、広く国民全体の意識変革を進めなければならない。

 そんな時期にようやく日本の金融界で、具体的な連携の動きが出て来た。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGのメガバンク3行が「QRコード」の規格を統一させて、共同出資のシステム会社設立を検討し、東京オリンピックの前年である19年度の実用化を目指すことになった。他の大手銀行や地方銀行にも協調を呼びかけることになる。メガバンク3行のシステムが国内の共通基盤になる可能性が出て来た。支払時に使う「QRコード」の規格が統一される波及効果は大きく、キャッシュレス化が本格的に加速し、廻り廻って銀行業務の効率化にもつながるものと期待されている。「QRコード」のインフラを仕上げて、各銀行のデジタル通貨のプラットホームにしたいという思惑もある。

 「QRコード」は印刷したり、スマホやタブレット端末に表示することで活用できるため、今後募集される加盟店の負担も軽い。こう考えるとメガバンク3行が「QRコード」の規格を統一させる意義と責任は重い。個々のメンツや経緯に拘らないで、より使いやすい「QRコード」へと収斂することが期待されている。