女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していた、スマートデイズは9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。3月末の債権者は911名、負債総額は60億円超という。スマートデイズの破綻のニュースは、驚きというよりは予想通りと冷静に受け止めた向きが、多いのではないだろうか。

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 民事再生法とは、経済的窮境の債務者の事業再生を目的とする倒産法の1つで、被適用法人は自然人における自己破産に該当する。従来の経営陣の刷新は法律上の必須事項ではない。今までの経営陣が口を拭って、臭いものに蓋をするようなことはないと思うが、債務者の再起を期待する法の精神を、逆手に取っているように感じるのはどうしたことか?

 スマートデイズの議決権株式の75%をオーシャナイズが保有し、オーシャナイズとスマートデイズの代表者は菅沢聡社長(スマートデイズの社長は今年1月に就任し、4月に辞任)である。さらに、スマートデイズはかぼちゃの馬車の事業運営をスプリングボードへ引き継ぐとしていたが、1月12日にスプリングボードはスマートデイズと同一の住所に設立登記され、2月13日にはオーシャナイズと同一の住所に移転登記がされた。スプリングボードの会社情報は定かではないが、設立と移転に関する思惑たっぷりな流れを見ると、オーシャナイズやスマートデイズと一体の企業であることは明白で、登場する役者は全て菅沢聡社長の振り付けで演技するのかと思ってしまう。

 1月17日にはスマートデイズが、かぼちゃの馬車のオーナーを対象にした説明会を開催し、説明会の直前に引責辞任した大地則幸社長を引き継いでトップを兼任することになった、オーシャナイズの菅沢聡社長は涙ながらに「はっきり言いますが、我々には資金がありません。自力ではどうすることもできないんです」と言ったと伝えられている。そんな言葉を真に受けるような、お目出度いオーナーがいるのだろうか?

 スマートデイズが2月に提案した「サブリース解除通告」の身勝手さもさることながら、スプリングボードが提案した新サブリース契約は「全体入居率」連動というあり得ない方式である。例えば、AとBの二人のオーナーがいて、Aオーナー物件の入居率が100%、Bオーナー物件の入居率が50%だった場合に、支払われるサブリース家賃は75%になる。低入居率オーナー救済互助会のようなサブリースに、入居率の良いオーナーは参加したいと思わないだろう。サブリースは、入居状況に拘わらず100%の賃料が支払われるという建前で、人々を眩惑してきた疑惑のシステムだ。そんなビジネスモデルが長く続かないことは、時折明らかになる現実の事例が証明している。

 救いようのない話が止まらない「かぼちゃの馬車」問題には、今後どんな展開が待ち受けているのか?鬱々とした日が続く。