■縄張りを解除せよ

 営業をしているのに、「自分の縄張りを主張している」店が多いのが現実だ。ディーラーのほとんどが自分たちの「縄張り」を前面に押し出して、「お客様をはじき返している」ところが多い。「まさか!」と思う人が多いと思うが、そうやって自ら客数を減らしているのだ。「ディーラーに見に行くと車を買わされる」と無意識に感じている人がほとんどだ。「車に用事が出来たときだけ行く所」と認識している。これを「車の用事がなくとも」日常的に訪れる「楽しい場所」にしなければならない。その努力が、このところ遅ればせながら始まったのだ。

【前回は】【車を売らないディーラー】当たり前!販売の基本「縄張りを解除せよ・ポスレジのバカ」(上)

 ある日、高台にあるディーラーで営業マンと話をしていた。周りの家々を見ながら、「あの家の車は何」と営業マンに聞いてみた。営業マンは知らなかっただけでなく、「なんでそんなことを聞くのか?」と怪訝な顔をした。「なんで近くなのに知らないの?」と聞いてみた。答えはなかった。「飛び込みセールスは効率が悪い」と知れているからだ。1000人に話しかけて、1人でも話に応じてくれればよいほうだ。なぜか・・? 売り込むからだ。

 まず、販売店の周囲の誰とでも話ができるようにしなければならない。周囲500mがコンビニの商圏だ。スーパーで2kmが主たる商圏で、数十キロのお客様もいる。ゴルフショップでは数キロから数十キロだ。専門店での商圏は、店側の「設定次第」と言える。通販を併用すると、商圏が全世界に広がるのが物販だ。外車ディーラーでは、東京のディーラーが九州のお客様に売ることもよくある。基本は、「商圏は自分の設定次第」だ。つまり「思い込み」だ。ディーラーの周囲2kmぐらいの住民とは顔見知りになることを必須とすることだ。「口を利くことが出来なくとも」挨拶出来て、所有車の車種ぐらいは知っておくべき。

■「嫌われ者」がとるべき努力は?

 誰とでも話ができるようにするには、「ライフスタイルに組み込まれる」ことが大事だ。「車を売らないディーラーのコンセプト」がここにある。有楽町の東京ミッドタウン日比谷の1階「レクサスミーツ」だ。名古屋に新装オープンする「港・名四店」もそのようだ。其々、お近づきになる工夫をしている。でも、「宣伝方策」との連動がなければ効果は薄い。現在の営業マンの「取り込み営業」のやり方では、「縄張り」を感じて「買わされる」となってしまい、むしろ「用事がなければ口もきいてもらえない」。「客を牛耳る」営業は、「市場を縮小させてしまう」ことを知ることだ。

 お客様の「(1)ライフスタイルに組み込まれる企画」を立て、同時にお客様に「(2)受け入れられるまでのストーリ」を描く必要がある。「お客様に嫌われている、あるいは関心がない」市場の「拡大のための営業」を考えるのなら、そこが始まりだ。「お客様を上から見下し、牛耳る」など、思い上がりもよいところだ。クルマ市場が縮小してしまう原因の一つに、ディーラー側の思い上がりがあることを知ることだ。ゴルフ市場も同じ傾向で、縮小する市場では、「商品の良さ」「ブランド力」をいくらアピールしても無駄だ。営業方針の根本的見直しが必要だ。あこがれの的だった商品が、「嫌われ者」、あるいは無用なモノ、関心のないモノ、になった今、「嫌われ者」が、受け入れられるまでの努力が必要となったのだ。